『第5回サンパウロ州日系地方団体代表者の集い』が15日午前10時からサンパウロ州のアチバイア文化体育文協(小野エリベルト会長)で開催され、約40人が出席し、うまく行った経験や問題意識を共有し合った。聖南西文化体育連盟の山村敏明会長の呼びかけにより、来年プロミッソン等で予定される110周年の地方式典を一緒に盛り上げていくことを機会に、地方同士の絆を強め、再活性化を図ることを申し合わせた。
小野エミル・アチバイア副市長は「同じ午前10時に4つの行事への招待状が来ていたが、ここを最優先した」と前置きし「日系団体が文化習慣を継承する活動を盛り上げるのは最も大事。市もスポーツ振興などの政策を使って協力したい」と述べた。
イビウナ文協の川村ミウトン優(まさる)さんは「この国は今、難しい時期に直面している。特に首都の汚職には目を覆いたくなる。国を愛する心にかけた現実を直視して、もっと日本文化の良い部分をそれぞれの日系団体が地元市長や市議に理解させた方が良い。まずは地元に口を出して変えていくべき。その時、日本文化の中からこの国の現実に役立つ部分を、彼らに分かりやすく説明する必要がある。それでこそ我々は、この国の発展や形成に役に立つ存在になる」と訴えた。
聖南西文化体育連盟の小川彰夫広報理事は「日系人は自己アピールが苦手。それぞれのKaikan(日系団体)がどんな活動をしているのか、もっと周囲やブラジル社会に知ってもらったが良い。そのためにはサイトを作って、活動内容を公表していくのが一番。だから日系団体が無料でサイトを作れるニッケイウェブ(www.nikkeyweb.org.br)を活用してほしい。日系団体がネット上でもっと可視性を高める時代だ」と訴えた。
ジャボチカバウ日本人会婦人会の西村ミキ・アリッセさんは、「とても良いアイデア。ネットの力はスゴイ。我々もデジタルで発信するべき」と賛同の声を挙げた。
ヴィニェード日系文化体育協会の小林ミチオ会長は、音楽著作権料徴収事務所(Ecad、Escritório Central de Arrecadação)への支払い問題に関し、「地元の日本祭りなどのイベントで日本の楽曲を歌ってもらうと数千レアル。払うことに異議はないが、節約する方法はないか」と提起した。
毎年数万レアルも払っているというカンピーナス日伯文化協会の花田忠義さんも「何か良い方法がないか、みんなで研究しよう」と呼びかけた。中には「我々が払っている著作権料を合わせれば大変な額。本当に日本に行っているのか?」と疑問を呈する声も。
ピラール・ド・スール文化体育協会の阿部勇吉会長は「来年創立65周年だが、今も文協のイベントの大半は日本語でやる。これは日本語学校が月~金で毎日2時間半ずつやっているおかげ」と日本語教育の重要性を強調した。
当日予定されていた(仮称)「サンパウロ州日系団体会議」(Uniao dos Entidades Nikkeis do Estado de Sao Paulo)の定款の審議は、草案が間に合わず次回に持ち越された。次回は3月5日にソロカバで開催される予定。