それはまさに、彼女が自分の部屋の床を張りかえる時のことだった。家庭内の簡単な工事や修理のやり方を動画にとり、ユーチューブで公開するというアイデアを思いついたのだ。
大学で広告マーケティングを学ぶパロマ・シプリアノさん(24)は、「母の勧めでこの動画を投稿し始めたの。そしたらいっぱいアクセスが集まって」と語る。
その後もパロマさんのチャンネルは視聴者数を増やし、「家の工事や修理は男がするもの」というタブーを打ち破っていった。「私の動画に刺激を受けた女性の多くが自分で家の修理をやり、その写真を送ってくれるようになったわ」とパロマさんは笑顔を見せる。
視聴者からのポジティブな反応は、今度はパロマさんに刺激を与えた。
動画投稿開始から2年が経ち、パロマさんは、ドアの設置やタイル貼りから、コンクリートや漆喰(しっくい)での壁の塗り方まで実演するようになった。昨年9月に投稿された、壁の塗り方の解説動画の視聴者数は490万人を超える。
パロマさんが動画に掲載したことは全て、実生活の中で試しながら学んだものだ。パロマさんは母や姉妹と共にミナス・ジェライス州セッテ・ラゴアス市に住んでおり、「家族は全員女性だから、何でもやる必要が出てくるの」と言う。
彼女の動画は23万9千人ものファンがいるが、未だに「そんな事は女のすることじゃない」と文句をつけてくる人もいる。「くだらない批判をする人の多くは男性。私より大工仕事の知識が少ないくせに口出ししてくる人も時々いるけど、相手にしないわ」とパロマさんは言う。チャンネルの登録者の6割は男性だが、女性の割合も増えてきているという。
パロマさんは、家庭内の大工仕事は骨が折れるが、後から得られる達成感は格別だという。「お金を払って誰かにやってもらう事も出来るかもしれないけれど、自分でやってみて、『これ、私がやったのよ!』と自慢出来たら、お金の問題を抜きにしても、素敵なことじゃない?」と語る彼女は、今では動画の版権も自分で抑えている。
動画投稿を続け、ドンドン、色んな人、特に女性を「あなたにも出来るわ」と勇気づけていきたいとパロマさんは語る。
パロマさんの動画集、「パロマ・シプリアーノ」は以下のリンクから閲覧できる。https://www.youtube.com/channel/UCHuLt790mVdedHTtwspQ_QA(23日付エスタード紙より)