ここ数カ月、金利低下に伴う新築住宅販売の回復が起こり、サンパウロ市では、9月の未販売新築住宅(在庫)の戸数が昨年比で21・5%減ったと、23日付現地紙が報じた。
サンパウロ州商用・住宅不動産売買賃貸管理業者組合(Secovi)によると、今年9月、過去3年以内に発売されたが、買い手のつかない住宅は1万9200戸だった。この数値はまだまだ高いが、昨年9月の2万4400戸と比較すると、かなりの改善だ。
14年に不況が本格化し始める前から、販売にかけられた新築物件の売れ残りは住宅開発会社各社の悩みの種となっていたが、今年の5月からは市場に勢いが戻り始め、各社が在庫を減らしてきている。
フラヴィオ・アマリSecovi会長は、「サンパウロ市内でもまだ需要が伸びないエリアもあるが、全般的に見れば、また新たな開発計画に入る余地が生じてきたのではないかと思われる」と語り、新規販売のタイミングを誤らないように努力しているとした。
雇用情勢は若干の回復を示し、消費者の購買意欲も高まっているが、雇用はまだ不況前の段階には戻っておらず、政治の先行き不透明感も残っているため、各社はまだまだ、新築住宅の供給量を増やす事に慎重な姿勢を崩していない。
ブラジル資本調査会社(Embrasp)によると、9月にサンパウロ市で売り出された新築住宅は、昨年比4%増の2252戸だった。
一方、今年9月にサンパウロ市内で売れた新築住宅は1819戸で、1717戸だった昨年同月より5・9%増えた。
アマリ会長は「新築住宅の価格はしばらく据え置かれていた。不動産の評価が再び上昇するサイクルに入る時期を予言するのはまだ早いが、その時は必ず来る」としている。
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