12月3日午前9時からサンパウロ市の文協大講堂でブラジル日本アマチュア歌謡連盟(INB、北川好美会長)が開催する『第23回ブラジル紅白歌合戦』の主な見どころは次の二つ。白組の午前中のトリとなる中島幸夫さん(38、三世)と、途中に1時間半ほど挟み込まれる特別企画「美空ひばり生誕80周年〃不死鳥よ…永遠に!〃」だ。
中島さんは元々民謡の歌い手だ。2015年にブラジル日本民謡協会主催した「第48回日本民謡ブラジル大会」で優勝、当時の民謡歴はわずか2年だった。今年5月の『第2回本荘追分ブラジル大会』でも優勝、8月に秋田県由利本荘市で行われた第34回本荘追分全国大会にブラジル代表として出場、見事に7位に入った実力の持ち主。
その勢いで、10月に海外日系人協会が主催した国際日系人歌謡大会でも細川たかしの「北緯50度」を歌って優勝。本人は「細川たかしの歌が一番好き。あの声の高さと伸び、パワーが凄い。自分もあんな風に歌いたいといつも思っている」と語った。
「いつか日本で歌手になりたい。その夢を実現するために来年の日本アマチュア歌謡連盟全国大会にブラジル代表として出場し、良い成績をとりたい」との抱負を語った。北川朗久INB前会長も教え子の頼もしい姿を前に、「エドゥアルドもそれで優勝して日本ビューを飾った。中島も頑張ってほしい」とエールを送った。彼の歌が紅白の午前中のトリで披露される。
もう一つの見どころは美空ひばり特別企画だ。終戦直後の1949年にデビューし、わずか12歳で「悲しき口笛」を歌って、当時史上最多の45万枚打ち上げ記録を打ち立てた。そこから「東京キッド」「柔」「悲しい酒」などの代表曲を連ねて、「終わりなき旅」「川の流れのように」まで17曲を、当日はコロニアを代表する歌手が次々に登場して歌いあげる。
その合間合間に総合司会の藤瀬圭子さんから語られるひばり物語(北川朗久さん企画)も聞きどころだ。興味深いひばりの人物像や歌のエピソードが織り込まれ、歌が発表された当時を思い出させる。
生伴奏はNAK・BAND。入場は無料だが、代わりに腐らない食料1キロか清掃用品の寄付を受け付けている。