「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマとする万国博覧会を、2025年に大阪市で開催するため、「2025日本万国博覧会」誘致委員会(会長=榊原定征経団連会長)が中心となって、誘致活動を精力的に展開している。ぜひとも日本開催に向け、ブラジルからも一肌脱いで協力したい。
ブラジルでは労働者党(PT)政権がサッカーW杯、リオ五輪と立て続けに開催した。だが、それらの開催経費がとんでもない債務として残され、その公共事業に群がった悪徳政治家による汚職蔓延が起き、政財界を直撃する事態になってしまった。1930年代以来で最悪とよばれる大不況のトンネルの先に、ようやく最近出口が見えてきたのが現状だ。
ブラジル独立200周年を祝う意味もあって、サンパウロ市のアダジ前市長(PT)が2020年万博に立候補して落選し、ドゥバイ(アラブ首長国連邦)に決まったことは記憶に新しい。五輪開催後にムチャクチャになったリオを思えば、サンパウロ市民としては、むしろ「落選して良かった」と胸をなで下ろしたい気分だ。
ちなみにブラジルは「独立100周年」を記念して1922年にリオ市で国際博覧会を開催した。これがいまだかつて南米唯一の万博だ。とはいえ1970年の大阪万博が日本初開催だったことを思えば、かなり早い。参加は欧州9カ国、米州4カ国(ブラジル含む)、アジア1カ国でもちろん日本。だが規模が小さかったせいか、日本語版ウィキペディアなどでは割愛されてしまっている。
一方、1970年の大阪万博は「人類の進歩と調和」をテーマに、それまでの入場者記録を塗り替える6421万人の大記録を打ち立てた。なんと国民の6割以上が見た計算になる。というのもアメリカ館にはアポロ12号が持ち帰った「月の石」が展示されるなど、未来を感じさせるものが目白押しだったからだ。
この大阪万博で提案され、その後に実用化されたものとしては「ヨーグルト」「電気自動車」「動く歩道」「ワイヤレステレホン(携帯電話)」「LAN(データ通信システム)」など。それらナシには現在の生活は考えられない。
つまり「未来」を見る場所が万博なのだ。
大半の戦後移民は東京五輪(1964年)以前の渡伯だから、そんな大阪万博には立ち会えなかった。邦字紙を通して日本での盛り上がりを、地球の反対側から指をくわえて見ているしかなかった。
でも今回は違う。
2020年の東京五輪を「最後の訪日の機会」にしようと待ちかまえている移民は多い。でも、それに加えて2025年大阪万博となれば、健康に気を付けて「こっちを最後の機会に」としたくなる。
2025年の方は、臨海部の夢洲(ゆめしま)を会場に5月から11月まで開催し、日本の優れた科学技術力で、国連が提唱する「持続可能な開発目標」を実現する未来社会の姿を、目の当たりにすることが出来そうだ。
例えば、高齢者や足の不自由な人の動きを補助してくれるロボットスーツ。すでに700台以上が日本では使われている。10年後、20年後に実用化する先端ロボットの数々の原型が会場では見られそうだ。
その他、地球レベルでの課題解決に挑戦する企業の先進的な取り組みや研究が展示される。そこにはきっと「ブラジルの未来」もあるに違いない。ちなみに25年万博にはフランス、ロシア、アゼルバイジャンも立候補しており、来年11月に開催地が決定される。
まずは次のリンクから個人会員登録をして、大阪誘致に賛同の意思表示をしてみては。(深)
(賛同署名して会員になる人はここから→
【日本語】http://www.expo2025-osaka-japan.jp/recruit-ind
【ポ語】http://bit.ly/expo2025-br)