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リオ市=警備費削減が医療にも影響=診察中断やキャンセル続出

 市の財政破綻による警備不足などにより、リオ市内の医療施設では今年に入り、暴力に起因する診察中断件数が、1日平均で前年の倍に増えていると、28日付現地紙が報じている。
 深刻な財政破綻は市の警備費削減などの形で表れているが、それは保健機関にも悪影響を及ぼしている。
 同市の医療ネットワークで、市内に117の診療所を持つ「クリニカス・ダ・ファミリア」では、今年の1月から9月に、治安確保の不備により診察が中断された例が552件あったという。昨年の同時期は335件だから、65%増加したことになる。
 この件数を1日平均に換算すると、少なくとも1日に2回は暴力沙汰などで診療中断を余儀なくされたことになる。
 また、同時期にキャンセルされた家庭訪問は1346件で、こちらは前年同期比の31%増。1日平均に直すと、1日につき5件の訪問予定が、安全が確保されないという理由でキャンセルされたことになる。
 こうした状況は抗争事件などが多発しているファヴェーラほどひどく、9月以降、麻薬密売組織のアミーゴ・ドス・アミーゴスの内部抗争が続いていたロッシーニャ地区や、27、28と連日で警察による麻薬密売組織摘発が続いているマレー地区などでは、診療所自体が開業できない状態の日も出ているという。