ブラジル沖縄県人会(島袋栄喜会長)はサンパウロ市本部で23日午後3時から「沖縄移民110周年実行委員会」設立会議、その後の忘年会には約160人が集まり、政治経済が困難だった今年を無事に乗り越えたことを共に祝った。本紙取材に対し、島袋会長は来年8月に開催される沖縄移民110周年の概要を明かし、「これから本格に準備を進めていく」と意気込みをあらわにした。
沖縄系社会にとって来年、移住110周年を迎えるのはブラジルだけでなく、アルゼンチン、ボリビアも一緒。島袋会長は「アルゼンチンも笠戸丸移民が流れて行ったので同じ年。ボリビアもペルーから最初に再移住した人の記録がこの年にあることが分かったそうです」と説明する。
だから来年8月3、4、5日はブラジルで、7、8、9日はアルゼンチン、11、12日にはボリビアで続けざまに祝う。すでに3国の県人会が連絡を取り合い、日程は調整済み。
なぜ密集させたかと言えば、母県やハワイから大慶祝団が予想されるからだ。100周年の時はハワイから75人が、沖縄からはなんと800人がチャーター機で駆け付けた。島袋会長は「今回も大勢来られると思います」とうなずく。
ブラジルにおける日程は8月3日、州知事、州議会議長の表敬訪問、イビラプエラの慰霊碑参拝、4日にはビラ・カロン沖縄祭りを「110周年前夜祭」と位置付けて盛大に記念パレードを行うという。普段から大イベントとして有名だが、来年はさらに豪華版になりそう。
島袋会長は「日本からは沖縄出身の有名な歌手や芸能人にぜひ来てほしいと願っています」と熱いコールをおくった。今までビギンなど大物が来た実績があるだけに期待できそうだ。
翌5日にはジアデマ市の沖縄文化センターで式典が開催される予定。功労者や高齢者の表彰に加え、祝いの芸能が披露されそうだ。
忘年会には島袋会長に加え、ブラジル日本文化福祉協会の呉屋春美会長、サンパウロ日伯援護協会の与儀明雄会長、日伯文化連盟(アリアンサ)の大城幸雄理事長が勢ぞろい。司会の上原テリオさんは「日系代表5団体のトップ3人までが沖縄系であることを誇りに思います」と各人からの挨拶を求めた。
呉屋会長は「来年7月には日本移民110周年、8月には沖縄移民110周年。忙しいですが両方ご支援をよろしくお願いします。35レアルでプリウスが当るかもしれませんよ」とリッファ購入を呼びかけた。
与儀会長も「来年は日伯友好病院30周年。高齢者介護などのシンポジウムを検討している。今年は難しい1年だったが来年も頑張りましょう」と語った。
元連邦警察サンパウロ州長官だった大城理事長は「今年は政治、経済共に最悪の年だった。それでも国は歩み続ける。来年は選挙の年。そこに希望を託しましょう」と語りかけた。さらに西本エリオサンパウロ州議らの挨拶が続き、集まった160人は晩餐に舌鼓を打ちつつ、来年への期待感を膨らませていた。