1日、地理統計院(IGBE)が、17年第3四半期の国内総生産(GDP)は前期比で0・1%の上昇を記録したと発表した。エコノミストの予想をやや下回ったとはいえ、経済回復が再度、数字で示された形となった。1日付現地紙サイトが報じている。
エコノミストの読みは「第3四半期のGDPは0・3%増」という線が多かったため、実際の成長率はそれを下回った。だが、第3四半期のGDP成長率は、第1四半期のGDPが0・2%増から1・3%増、第2四半期のGDPも0・2%増が0・7%増に見直された後に算出されており、昨年同期比では1・4%の成長となった。
これにより、GDPは3期連続の上昇となり、15年第2四半期~16年第4四半期の7四半期連続で下降した景気後退(リセッション)状態は脱したことをさらに印象付けた。今年1~9月のGDPは0・6%、12カ月間の累積でも0・2%成長している。
GDPは家庭消費+公共支出+投資+輸出から輸入を引くという形で算出される。第3四半期のGDP上昇に貢献したのは、2013年第4四半期~今年第2四半期の15四半期連続で縮小していた投資で、今回は1・6%増に転じた。
投資がプラスに転じた原因は、機械やサービスの生産と輸入が増えたことで、その背景には、景気の先行きに対する企業家の信頼感指数の回復などがあるという。
ただ、製造業に対する投資はまだ全体の16・1%と少なく、エコノミストたちは、この割合が25%近くにならないと長期的な成長につながらないと見ている。
また、家庭消費も1・2%増えた。この部門はGDPの60%を占めており、同分野の成長は影響が大きい。家庭消費を牽引したのは、勤続期間保障基金(FGTS)の休眠資金開放だ。これによって国民が400億レアルもの恩恵を受けたことが、消費の活性化につながっている。経済基本金利の低下や労働市場における失業率改善もこれを後押ししている。
一方、農牧業は3%減少し、足を引っ張る要因となった。農牧業のGDP減少は、貢献度の高い大豆などの収穫期を外れていたためだ。
エンリケ・メイレレス財相もこの結果を受け、ツイッターで「農牧業の減少がなければGDPは1・1%増になっていたはずだ」と語っている。
製造業は0・8%増、サービス業は0・6%増、政府支出は0・2%減だった。
種々の経済指数は景気が徐々に回復していることを示しており、政府や企業家の間では景気回復の気運が高まっている。だが、1日付エスタード紙によると、国民の意識にはずれがあり、来年の景気は今年より良くなると考える人は過去8年間で最低の21%だった。来年の景気は悪化すると考えている人は3年連続で減って28%になり、今年と同じと考える人は過去最高の48%いた。