エンリケ・メイレレス財相(社会民主党・PSD)が4日付フォーリャ紙で民主社会党(PSDB)と同党の大統領候補が有力と見られるジェラウド・アウキミンサンパウロ州知事を批判する発言を行った。4、5.6日付現地紙が報じている。
メイレレス財相は4日付フォーリャ紙のインタビューで、「連邦政府の連立与党の代表として18年大統領選に出馬するのか」との問いに対し、「連立与党が代表候補を選出することは十分ありうる」としながらも、「私自身の決断は3月の終りまで待ってほしい」とした。
テメル大統領の民主運動党(PMDB)、PSD、進歩党(PP)、共和党(PR)、民主党(DEM)などの中道右派政党で大統領候補を出すことが有力視されていることは既に報じられている。フォーリャ側が「同じ政治路線のジェラウド・アウキミン氏が候補となるという可能性はないのか?」と質問したところ、メイレレス氏は「PSDBは連邦政府から離れる意向でいる。そのことは当然、来年度の選挙体制にも影響する」と語った。
またメイレレス氏は、PSDBのリーダーの一部が提案した社会保障制度改革(年金改革)案について、「経済効果が10年間で1千億レアル以上減る」として、「この提案によって生じる差はあまりにも大きく、改革そのものの効果を弱めてしまう」と批判した。
テメル大統領は、2日にサンパウロ州リメイラで行われた、政府の持ち家政策「ミーニャ・ヴィーダ、ミーニャ・カーザ」の家屋落成式でアウキミン氏と会って話もしたが、同党の連立離脱問題には特に触れず、何事もなく終わっていた。
ダッタフォーリャによる最新の大統領選世論調査では、アウキミン氏が約6%の支持を得たのに対し、メイレレス氏はわずか1%と低調だった。
メイレレス氏の発言は連邦政府内部にも波紋を投げかけたが、テメル大統領は5日、「メイレレス氏個人の見解を語ったのであり、PSDBに対して特に攻撃的だったとは思わない」と語った。
エリゼウ・パジーリャ官房長官も大統領による弁明の前に、「メイレレス氏の発言があったからといって、PSDBが社会保障制度改革に反対票を投じるとは思わない」との見解を示している。
メイレレス氏の発言の背景には、PSD内部の問題もあった。同党党首のジルベルト・カサビ通信相が、来年の大統領選では「アウキミン氏が勝利するだろう」と私見を表明していたからだ。
元サンパウロ市長のカサビ氏は、同氏がサンパウロ市副市長時代の市長だったジョゼ・セーラ氏(PSDB)の副候補として来年のサンパウロ州知事選に出馬することも考えている。セーラ、カサビ両氏は、中道政党が他の有力候補を出さない限り、アウキミン氏当選の可能性が高いと見ている。これを知ったメイレレス氏が、PSDBに圧力をかけようとして先のような発言を行ったと、PSDBの一部党員はみている。