ブラジルで昨年のジウマ前大統領(PT・労働者党)罷免運動のキャッチフレーズになった、「チャウ・ケリーダ」(「チャウ」は「さようなら」の意味で、「ケリーダ」は親しい女性への呼びかけ)が、少しだけ形を変え、市民運動のVPR(Vem Pra Rua、街に出よう)によって、来年の総選挙で汚職政治家を落選させる運動の名前となっていると6日付地元紙が報じた。
ジウマ罷免運動の一翼を担ったVPRは、「#チャウケリードス」(「ケリードス」は複数の人々への親しみを込めた呼びかけ)のスローガンの下、政治家格付サイトの「政治家ランキング」と合同で、インターネット上に「選挙で当選させてはいけない政治家」リストを掲載する予定だ。
このリストには、VPRと政治家ランキングが独自の基準により、汚職をしている、もしくは汚職撲滅に消極的だと判断した政治家が掲載される。既に少なくとも15人の政治家がリストに挙げられており、その中には、民主運動党(PMDB)、PSD(社会民主党)、PT(労働者党)、ブラジル労働者党(PTdoB)から改称したAvante所属の政治家の名があるという。
政治家ランキングは、各議員の議会での投票行動や、公費支出、係争案件などから点数をつけ、政治家の清廉性を算出している。政治家ランキングの創設者の一人、アレシャンドレ・オストロヴィエスキ氏は、「このサイトには、右寄りも左寄りもない」としている。
政治家ランキングは、議員の法案採決時の行動も、国にとってポジティブだったか、ネガティブだったかで評価し、点数付けする。
例えば、ジウマ前大統領の罷免に賛成した議員には25点、テメル大統領への起訴に関して、1回目の審理継続に賛成した議員には5点、2回目では10点、アエシオ・ネーヴェス上議停職措置継続に賛成した議員にも30点がつく。
逆に、労働法改正法案に反対した議員は20点マイナスされ、10項目の反汚職法案や議員への免責特権廃止、新規選挙資金ファンド設立などへの投票行動も裁定の対象とされる。
VPRリーダーで企業家のロジェリオ・シェケル氏は、「各議員の投票行動を明らかにして、後は有権者の判断に委ねよう」と語っている。
6日現在、政治家ランキングで最高の評価を得ているのはミゲル・ロンバルジ下議(共和党・PR、518点)で、最下位の593位と評価されているのはリンドベルギ・ファリアス上議(PT、マイナス532点)だ。
政治家ランキングはhttp://www.politicos.org.br/で閲覧できる。