連邦医師審議会(CFM)が7日、胃の一部を切除したり、バイパスを設けたりする手術が、2型の糖尿病患者の治療法として有効であるとの見解を発表した。
2型の糖尿病は、遺伝的に糖尿病になりやすい人が肥満や運動不足、ストレスなどをきっかけに起こり、インスリンの効果が出にくくなったり、分泌するタイミングが悪くなったりする。
2型の糖尿病は自覚症状もなく進行する事が多く、高血糖症やインスリン抵抗性、相対的なインスリン不足が特徴だ。異常な喉の渇きや多尿、原因不明の体重減少、傷が治らないまたは直りにくいなどが主な症状で、高血糖の状態が続くと血管や神経の障害などの合併症を引き起こす。糖尿病患者の約9割は2型で、1割は、膵臓のランゲルハンス島分解で絶対的なインスリン不足になる1型と妊娠糖尿病だ。
2型の糖尿病の主な治療法は運動と食事療法だが、血糖値が十分に下がらない場合は投薬やインスリン注射が必要だ。肥満の人は減量手術で改善される事が多い。
CFMが有効性を認めたのは、この減量手術による治療だ。ただし、糖尿病治療のための胃の手術が認められるのは、体重を身長の2乗で割った数字が30~34・9の2型糖尿病患者で、投薬やインスリン注射、生活習慣改善という通常の治療を10年以上行ってきたが効果が見られなかった、30~70歳の人という条件がつく。
胃の一部切除やバイパス手術、リング設置などの手術は通常、体重減少のために用いられ、体重を身長の2乗で割った数値が35以上の人を対象とするが、糖尿病治療のための手術は、35未満の人にも認められる。
CFMがこの見解を発表したのは、英国の研究者達が、急激なカロリー制限による減量で、2型の糖尿病が改善したという研究結果を発表した直後だ。この研究は14年7月~16年8月に298人を対象に行われた。
半数の149人は、1日850カロリーの食事を3~5カ月とり、急激に体重を落とした後、2~8週間かけて1日1400カロリーに戻し、その後は最大2500カロリーの食事で体重を維持するという食事療法を試した。12カ月間薬を飲まずに食事制限をした結果、12カ月間で平均10キロの減量に成功。
体重減少が5キロ未満だと改善率は7%だったが、5キロ~10キロ減量した人は34%、10~15キロ減量した人は57%改善した。15キロ以上減量した人(36人、24%)では、86%が糖尿病の症状が完全に消滅した。
これに対し、投薬治療を続けた対象群では、15キロの減量に成功した人は皆無で、糖尿病が改善した人も4%(6人)しかいなかった。
研究者達は、体重減少により、肝臓などの脂肪が減り、機能が回復した事で糖尿病も改善したと見ている。
世界保健機構によると、世界中の糖尿病患者は人口の9%に及び、心筋梗塞や失明、腎臓機能障害、四肢の血液循環障害などで悩む人が多い。
ブラジルの糖尿病患者は1800万人と見られており、この10年間で68%も増加した。(7日付G1サイト、7日付エスタード紙より)