逮捕に直面した議員に対する司法の判断を州議会が覆すことが可能か否かの審理が、最高裁で7日に行われた。審理はまだ継続中だが、現状では「できない」が5対4で優勢という状況になっている。8日付現地紙が報じている。
この問題は、アエシオ・ネーヴェス上議(民主社会党・PSDB)が収賄容疑で職務停止となった際、最高裁が10月に「(議員職責に関する)最終決定権は議会にある」との判断を下したことで、最高裁第1小法廷での職務停止判決が、上院投票で覆ったことに端を発している。
リオ州ではその後、バス企業からの収賄疑惑に関する捜査妨害を試みた疑いで、ジョルジ・ピッシアーニ州議長をはじめとする民主運動党(PMDB)所属議員3人が逮捕されたが、同州議会の判断で逮捕取消となる例が生まれ、これが社会問題となった。
リオ州同様の「州議会による司法判断取消」のケースは、リオ・グランデ・ド・ノルテ州(議員停職)やマット・グロッソ州(逮捕)でも相次いでいたため、最高裁が10月に下した判断が地方行政でも通用するのか否か、いま一度、審理することが社会的に求められていた。
7日、最高裁は議題を「州議員の逮捕を州議会が見直すことは可能か」として審理を行った。10月の投票の際も、判事投票は6対5の接戦だったが、今回も票は割れている。州議に対する司法判断に関する最終決定権が「州議会にまでは適用されない」とする報告官エジソン・ファキン判事に同意したのはローザ・ウェベル、ルイス・フクス、ジアス・トフォリの各判事とカルメン・ルシア長官の計5票。
その一方、「州議会でも適用できる」として、ファキン判事に反対したのがマルコ・アウレーリオ・メロ、アレッシャンドレ・デ・モラエス、ジウマール・メンデス、セウソ・デ・メロの4判事だった。
同件の審理は、カルメン長官の判断で、当日出席できなかった、ルイス・ロベルト・バローゾ(公務で米国出張中)、リカルド・レヴァンドウスキー(体調不良で休職中)の2判事が戻ってきた時点で再開することになった。それはつまり、2018年以降となる。
今回の投票で特筆すべきは、10月の投票では「議会に決定権を」に最後の1表を投じたカルメン長官が州議会の決定権に反対したことだ。
なお、連邦検察庁は7日、ラヴァ・ジャット作戦との関連で始まった、リオ州議会内にはびこる汚職に関する捜査に基づき、ピッシアーニ氏をはじめとする前述のリオ州議員3人と他の16人の容疑者を、収賄罪などでリオ第2地域裁判所(TRF2)に起訴した。