ミナス・ジェライス州では先週から強い雨が断続的に降り続けており、7日も14の自治体が緊急事態を宣言したと7、8日付現地紙・サイトが報じた。緊急事態を宣言した町の市長達は7日にブラジリアを訪れ、大統領と会談。州防災局や連邦政府は同日、14市の緊急事態を承認した。
雨の被害は同州東部の森林地帯にある町々を中心に広がっている。
6日にピメンテル知事の訪問を受けたリオ・カスカ市は、4日早朝に集中豪雨に見舞われ、家屋倒壊や2階建ての家の屋根まで水に覆われるという被害を受けた。下水混じりの濁流に襲われた町は、壊れた家や動けなくなった車、悪臭を放つ泥などに覆いつくされた。商店強奪なども起きているが、防犯カメラは機能していない。
死者1人、行方不明者3人が出ているウルカニア市は、道路や畑が一面泥で覆われ、至る所に大水が運んできた瓦礫や立ち木などが山をなしている。町を襲った濁流は乗用車を屋根の上に押し上げ、トラックを川に引きずり込んだ上、橋の一部も流してしまった。国道や州道も土砂崩れなどで寸断されている。
サンタクルース・ド・エスカウヴァド市でも、4日は市内を走る幹線道路が川と化し、市役所や病院さえ浸水被害を受けた。津波の後と見間違うほどの道路は、泥で覆われた上に、瓦礫や家具、電気製品などが溢れ、歩行さえも困難だ。
サントアントニオ・ド・グラマ市も瞬く間に大水に襲われ、何一つ持ち出せなかった人達が、茫然自失の状態のまま、清掃などに追われている。
同州消防は今月、雨が原因の通報を540件受けている。現在も行方不明の人は、ウルカニア市3人とヴェスパシアノ市1人の計4人。ウルカニアでは13歳の少女、ペルジゼスでは6歳の男児が濁流に流されて死亡。3日に80歳女性が屋内で溺死したリベイロン・ダス・ネヴェスは、5日に緊急事態認定済みだ。
森林地帯の町々では、家屋の全半壊も200軒近く、1800人以上が避難所、1千人弱が親戚宅などに退避している。
なお、同州やエスピリトサント州では来週も雨が続く見込みだという。