7日、高等裁判所がサンパウロ市地下鉄や都電(CPTM)、バスなどでセクシャル・ハラスメントにあたる行為があった場合、これらの交通機関が被害者への賠償責任を負うという判決を下した。8日付現地紙が報じている。
この判決を下したのは高等裁第4小法廷で、4対1の多数決での判決となった。
今回の裁判は、2015年にCPTMの車両内で男性乗客から性器を押し当てられた女性が起こした、最低限でも78万8千レアルの賠償を求める訴えに基づいて行われた。この女性はこの被害によって、強い精神的なトラウマを負い、夜も眠れずに泣き過ごし、交通機関に対する恐怖心が芽生えてしまった。
高等裁の審理はこの件そのものを対象としたものではなかった。だが、公共交通機関の中で起きた犯罪によって被害や損害を受けた場合、交通機関が賠償に応じる責任があると判断した。
報告官のルイス・フェリペ・サロモン判事は、「民法と消費者保護法の観点から、交通機関による賠償が妥当と判断した」といい、CPTM側も「判決を尊重する」としている。