民主社会党(PSDB)が9日に全国党大会を開催し、予想通り、ジェラウド・アウキミンサンパウロ州知事が党首に就任した。アウキミン新党首の最初の大仕事は、連邦政府が進める社会保障制度改革に対し、根強い反対論を掲げる一部勢力の説得となりそうだ。10、11日付現地紙が報じている。
党首選そのものは、党員の473人中470人がアウキミン氏に投票するという圧勝ぶりで、この点に関しては党内の結束ぶりをうかがわせた。
なお、副党首には、当初、党首選に出馬する予定だったゴイアス州知事のマルコーニ・ペリーロ氏、下院リーダーのリカルド・トリポリ氏、パウロ・バウエル上議、フレシャ・リベイロ上議、パラナ州知事のベト・リシャ氏、シェリダン・オリヴェイラ下議、カルロス・サンパイオ下議、そして連邦政府外相のアロイージオ・ヌーネス氏が就任した。事務局長はマルクス・ペスタナ下議がつとめる。
アウキミン氏は党大会閉会前に就任挨拶を行ったが、話はもっぱら、自身が出馬候補として確実視されている大統領選に向けたものとなった。
同氏が一番の槍玉にあげたのは、今回の大統領選の世論調査で一番人気のルーラ氏(労働者党・PT)で、「ペトロブラスを崩壊させ、多くの事業も頓挫させたままだ。ルーラは国を壊した。にもかかわらず、また大統領選に出馬して、政府を犯罪の場に戻そうとしている。PTのいう夢の島などなかったというのにだ」と厳しい口調でルーラ氏を批判した。
また、国の保安の必要性に関しても、大統領選世論調査2位のジャイール・ボルソナロ氏の過激な主張をけん制して皮肉る場面も見られた。
だが、テメル政権に関してはあえて批判することをせず、現状で経済状況を回復させていることや社会保障制度改革の取り組みをほめた。それは党内の一部も驚かせた。
だが、連邦政府が他の省庁に移動させて残留させようと考えていたアントニオ・インバサイ大統領府事務局長官が、党大会前日に辞表を提出していることから、PSDBの連立離脱は確実とも見られている。
ただ、アウキミン氏自身は、こと社会保障制度改革に関しては連邦政府の目指す方向に賛同しているため、連邦政府と同じく、12月中に下院で承認させる方向で積極的に党内に働きかける意向だ。党大会直後の会見では、党内が一丸となって改革案承認に向かうことを望んでいると表明。そのためには、党幹部だけではなく、議員たちの協力が必要だと訴えた。
だが現状では、改革案に反対を表明している同党下議は46人中12人のいる上、現時点で賛成を明確に表明している下議はわずか7人に過ぎない。この状態でアウキミン氏がどう説得していくかが、党首としての最初の大きな課題だ。