2007年7月17日にサンパウロ市のコンゴーニャス空港で起きた、TAM航空便オーバーラン事故の被害者の一部の遺族に対し、事故機製造会社のエアバス社から、賠償金3千万レアル(10億5千万円相当)が支払われる事になったと、12日付現地各紙が報じた。
両者の合意はリオ州地裁において、11月13日付で認可された。
この事故では199人が命を落としたが、賠償金を受け取るのは犠牲者33人の遺族93人だ。
遺族団の弁護人、ガブリエラ・リストウ弁護士によると、賠償金は10万レアル~400万レアルと差がある。
事故を起こした航空会社のTAM(現在はLatam)社は既にほとんどの遺族への賠償を行っている。だが、最初に身元が判明した米国人の犠牲者の遺族が、事故機製造会社であるエアバス社を相手取った裁判を米国で起こしたため、ブラジルでも一部の遺族が同様の裁判を起こした。
遺族の一人は、「『賠償金で大もうけした』などと言われるが、全くお門違いだ。滅茶苦茶にされた人生が回復した人などいないし、弁護士費用や税金を差し引いたら、手元に残るのは僅かな金額」と語っている。
Latam社広報部はエアバス社からの賠償金支払いについて、「既に197人の犠牲者の遺族への賠償は済ませた。残る2人の犠牲者の遺族とは係争中で、詳細に関しては差し控える」とのコメントを発表した。
エアバス社も遺族への連帯を示し、賠償金の支払いで遺族と合意に達した事を確認しつつも、機体に不備があったから事故が起こったわけではないとの立場も強調する旨を書面で発表した。
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