ブラジル中銀は先週、今年のインフレ率予測を10月発表時の3・3%から2・9%に修正した。この数値は、目標の「4・5%±1・5%」を下回る。
長年、高インフレに悩まされてきた庶民には、一見嬉しい知らせにも思える。しかし、中銀は、インフレ目標の上限を上回っても、下限を下回ってもその説明をしなくてはならない。
インフレ目標の設定を始めた1999年以来、「実際のインフレが目標より低すぎた」という現象は発生していないが、今年1月~12月の累積インフレ率が本当に3%を下回った場合、イラン・ゴールドファジン中銀総裁は、エンリケ・メイレレス財相に目標不達成を説明する書面を提出しなくてはならない。
中銀の見解の一部は、12日に公表された、5、6の両日に開催された通貨政策委員会(Copom)議事録で明らかになった。議事録には「食料品価格が平均5%下落した事が、今年のインフレ率が目標に達しなかった理由」と記載されている。
中銀はまた、食料品価格の低下は、電気代上昇の影響を受ける諸品目の価格上昇分を相殺する働きをしているとも述べている。
中銀は2018年のインフレ予測を、4・3%から4・2%に下方修正したが、2019年のインフレ予測は4・2%のままにとどめた。インフレの調整弁である経済基本金利(Selic)は、今年と来年の年末は7%で、2019年末には8%になると予測している。
中銀が毎週発表する経済動向調査のフォーカスも、今年のインフレは目標を下回ると予想。これに従えば、更なる金利低下への道が開かれたままになっている事になる。
中銀は、今後も自由に独立した通貨政策を取っていく事を表明したが、社会保障制度改革が難航している事なども鑑み、決断は常に慎重に行う意向である事もあわせて強調した。(13日付フォーリャ紙より)
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