サンパウロ州教育局が管轄する州立校の全体の約3割は、2016年の国家高等教育試験(Enem)において、全国の州立校の平均に達していないと、13日付現地紙が報じている。
サンパウロ州立高校の内、州立技術校(Etec)を除いた普通科高校3600校中、半数以上の生徒が試験を受けたのは1399校。その内の423校(30・2%)の成績は、全国の州立校の平均点、488・23点を下回った。
サンパウロ州は教育関連予算がもっとも豊かな州だが、州立校の平均点は525・7点で、リオ・グランデ・ド・スル州、連邦直轄区、サンタカタリーナ州、パラナ州、ミナス州を下回った。
サンパウロ州の上位10%、139校の点数は514・42~545・31点だった。サンジョゼ・ドス・カンポス市のプロフェッソーラ・マリア・ドローレス・ヴェリッシモ・マドゥレイラ校がトップだ。
教育省では各校生徒の家庭の経済状況を「とても低い」から「とても高い」の7段階に分けて登録しており、サンパウロ州で上位10%に入った学校の49%は「高い」に分類されていた。下位10%校の点は443・60~478・32点で、これらの学校の39%は、「普通」か「やや高い」に分類されていた。
サンパウロ州立大学教授で元サンパウロ州教育局局長補のジョアン・パルマ・フィーリョ氏は、教育のための経済的原資の不足が、教育レベル向上の妨げになっているとしている。
また、同氏と、国立教育科学技術研究所の教授、アナ・コルチ氏は、サンパウロ州が進めるテンポ・インテグラル(全日制)と呼ばれる、朝から夕方まで授業を行う方式が、全体にいきわたらず、偏っている現状を、「限られた学校とそこの生徒の教育レベルだけは上がるかもしれないが、他校との格差を拡大させている」と批判している。
サンパウロ市内で最高点を記録した、西部のアントニオ・アウヴェス・クルス州立校は、高級住宅地にあり、12年に全日制が採用されてから、継続的に好成績を収めている。
一方、同市で最低点だった市南部のアデライデ・ローザ・フェルナンデス・マシャド・デ・ソウザ州立校の教師は、「ここは、水や電気からトイレットペーパーまで、全てが足りない。教師としての役割よりも生活指導に多く時間を割かねばならない」と嘆いている。