現在、アラブ首長国連邦(UAE)で開催中のサッカー・クラブW杯は、16日(現地時間)に欧州代表のレアル・マドリッド(スペイン)と、南米代表のグレミオ(ブラジル)が決勝戦を戦うことが決まったが、13日、グレミオ以外のブラジル人サッカーファンが沸いた瞬間があった。
それは、準決勝のレアル・マドリッドと開催国枠で出場したアル・ジャジーラの試合で起こった。誰もがレアルの楽勝だと思っていたこの試合、先に相手ゴールを揺らしたのはアル・ジャジーラで、そして得点を決めたのが、ブラジル出身のロマリーニョ(27)だったのだ。
ロマリーニョは、5年前の2012年に、コリンチャンスの選手としてひとつの大きな仕事を成し遂げたことで、いまだにその存在を覚えられている。
クラブチーム南米王者を決めるリベルタドーレス杯の決勝に進出したコリンチャンスは、それまでに同大会で6回も優勝している、アルゼンチンのボカ・ジュニオルスと対戦した。ホームアンドアウェー方式の初戦を敵地で戦ったコリンチャンスは、ボカに先制を許すも、途中出場のロマリーニョが値千金の同点ゴールを後半39分に決めた。
敵地で引き分けたコリンチャンスは翌週の地元開催の試合を2―0で勝利。悲願だったリベルタドーレス杯初優勝を成し遂げ、その年の12月にはクラブW杯でも優勝した。
しかし、その後のロマリーニョは伸び悩み、2014年にカタールのチームに移籍した。そこで活躍したロマリーニョは、その実績を買われてアラブのアル・ジャジーラに今年から移籍、同チームがUAE国内の大会で優勝したため、開催国枠で、クラブW杯に出場していた。
ロマリーニョは、大会初戦でニュージーランドのチーム相手に決勝点を上げた他、準々決勝の浦和レッズ戦でも決勝点をアシストするなどの活躍を見せていた。
その上に準決勝では、世界的なビッグクラブのレアルに対して得点を奪ったことで、ブラジルのファンは「あのロマリーニョがまたすごいことを」と大騒ぎになった。
最後には力の差を見せ付けられ、レアルに逆転負けを喫したが、翌日のスポーツ紙は、久々に勇姿を見せたロマリーニョ一色になった。ロマリーニョはインタビューに答え、「今、アル・ジャジーラと3年契約をしている。でも、あと2年したらブラジルに戻りたい。もちろん、コリンチャンスでプレーしたいよ。自分の家のあるところだし、なんといってもあのファンの応援だよ」と、コリンチャンスへの愛情を隠さず語った。
ロマリーニョ所属のアル・ジャジーラは、16日にメキシコのパチューカと3位決定戦を戦い今大会を締めくくる。(14日付アゴラ紙より)
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