連邦議会の上下両院合同本会議が13日に行われ、総額3兆5700億レアルに上る来年度予算案が賛成多数で可決されたと、13、14日付現地紙・サイトが報じた。
2時間に及ぶ討議の末、13日深夜に承認された18年度予算には、今年の議会でその設立が承認された、17億1600万レアルに及ぶ選挙費用特別基金(FEFC)が含まれる。
18年度予算は、昨年末に成立した歳出上限法による制約を受ける初めての予算となる。カカ・レオン下議(進歩党・PP)が報告官を務めた予算案は、テメル大統領(民主運動党・PMDB)の裁可待ちとなる。 先に承認された18年度連邦予算基本法(LDO)では、基礎的財政収支での赤字限度額が1590億レアルとなっていたが、13日に承認された18年度予算案は、1570億レアルの基礎的財政収支赤字を見込んでいる。同予算案は18年のブラジルのGDP成長率を2・5%と予想した上でたてられている。
予算案審議中、野党議員からは予算案への批判が飛んだ。ボン・ガス下議(労働者党・PT)は、歳出上限法に基づく支出凍結は国家財政の収支バランスを取るのには役立つが、「討議を重ねて経費を拡大した項目があっても、国家の発展や所得拡大、経済活性化、社会政策やそのための諸計画の実施に必要な経費を盛り込んだ予算というには不十分だし、『財政健全化』の理論で経費を削減されてしまうんだろう」と批判した。
一方、カカ・レオン下議は、来年度予算では教育や医療、治安維持への投資は保障されているとした上で、「18年度を通じて種々の政策や計画を実施していくため、可能な限り現実味のある予算を作るのに足りるだけの成熟度を有していることを両院議会は示した」と語った。
来年度予算は3兆5700億レアルに上るが、その内の1兆1600万レアルは国債費に回され、残りは2兆4200万レアルだ。
その内、公共投資には1129億レアル、社会保障費の支払いには5850億レアル、国家負債の利子の支払いには3160億レアルが回る。人件費は3228億レアルで、10月末に出た「高給国家公務員の年金負担率引き上げ」や「国家公務員の給与調整実施見送り」などの暫定令も盛り込まれている。
なお、合同本会議の開催前、上院政府リーダーのロメロ・ジュカー上議(PMDB)が、「上下両院議長の間で、社会保障制度改革の採決は来年2月に回すことで合意が成立した。政府も了承済み」と書面で発表し、大反響を呼んだ。
同上議は、13日に予算審議を行ったことで、事実上、社会保障改革案の年内採決は無理としているが、ロドリゴ・マイア下院議長(民主党・DEM)は「そんな合意は誰とも交わしていない」とし、エウニシオ・オリヴェイラ上院議長(PMDB)も「テメル大統領とも、誰とも会っていない」と語った。