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国際サッカー連盟がブラジル・サッカー連盟会長に90日の停職処分=収賄工作を指揮した容疑で=前会長の裁判で新事実発覚

デル・ネロCBF会長(Fabio Rodrigues Pozzebom/Agência Brasil)

デル・ネロCBF会長(Fabio Rodrigues Pozzebom/Agência Brasil)

 国際サッカー連盟(FIFA)は15日、ブラジル・サッカー連盟(CBF)のマルコ・ポーロ・デル・ネロ会長に対し、90日間の職務停止命令を下した。15日付ブラジル国内紙サイトが報じている。
 この決定はFIFAの倫理委員会が下したもので、米国ニューヨークで行われている、ジョゼ・マリア・マリンCBF前会長の裁判での証言などに基づく判断だ。
 マリン前会長は2013年頃に、2016年に開催されたコパ・アメリカ100周年記念大会やリベルタドーレス杯などに関し、他の南米諸国のサッカー連盟運営者らも含む、収賄や資金洗浄などに関わった容疑で、2015年にスイスで逮捕され、後に米国に移送された。デル・ネロ会長も同件の捜査対象となっていたが、ブラジルにいるために、米国での裁判にはかけられていない。
 FIFA側は、「汚職計画に関与したという決定的な証拠がない」という理由で、デル・ネロ氏には直接的な処分を下していなかったが、本人は逮捕をさけるためにブラジルの外には出ないようにするなどの対策を行っていた。この件でデル・ネロ氏は、15年12月から16年4月まで自ら休職していた。
 だが、現在米国で進展中のマリン被告らへの裁判では、デル・ネロ氏を巡る疑惑も次々と浮上している。
 ひとつは、アルゼンチンの企業「トルネオス・イ・コンペテンシアス」の元従業員、ホセ・エラディォ・ロドリゲス氏が11月に、グローボ局の元理事やデル・ネロ氏に支払った賄賂の分配表をブルックリン裁判所に提出したことだ。それによると、デル・ネロ氏は、コパ・アメリカやリベルタドーレス杯、ブラジル杯などに関する事業契約で650万ドルの収賄を受けていたという。
 さらに、14日に行われた公判で、マリン被告の弁護人のチャールズ・スティルマン氏から「トルネオス・イ・コンペテンシアスからの収賄に関して最終的に実行の決定を下したのは、当時副会長だったデル・ネロ氏だった」との証言が飛び出した。
 裁判資料はFIFAにも送付されており、一旦お蔵入りとなったデル・ネロ氏に関する調査が再開されることが決まった途端の証言は、職務停止処分の決め手となった。
 当面のCBF会長は、副会長の中でも最年長のアントニオ・カルロス・ヌーネス(通称コロネル・ヌーネス)氏が代行する。デル・ネロ氏への処分は、45日間延長される可能性がある。