ブラジル動物性蛋白質協会(ABPA)が13日、今年の鶏肉と豚肉の輸出量は432万トンで、昨年より1%減るが、金額は昨年比6%増の72億ドルに達する見込みと発表したと13日付G1サイトが報じた。ブラジルは世界有数の食肉生産国で、鶏肉の場合は全世界の輸出量の40%を占める。
だが、ABPAによると、カルネ・フラッカ作戦の影響がなければ、鶏肉と豚肉の輸出量はあと20万トン増えていたという。同協会では、今年3月に連警が行った、食肉業界の不正を摘発するカルネ・フラッカ作戦は国内外に深刻な不信感を植え付け、鶏肉や豚肉の輸出にも大きな影響が出たと見ている。
ABPAによると、今年の鶏肉の生産量は昨年比1・2%増の130万5600トンで、国民1人あたりの消費量は、昨年比1・8%増の年42キロと見ている。
ABPAは景気回復傾向を鑑みて、18年の鶏肉の生産量は今年の実績を2~4%上回り、輸出量も今年より3%増えると見込んでいる。
一方、14日付アジェンシア・ブラジルによると、地理統計院(IBGE)は14日、第3四半期の牛と豚、鶏の屠殺量は、前四半期比でも昨年同期比でも増えたと発表した。
牛の屠殺量は前四半期比で7・6%、昨年同期比で9%増の798万頭だった。豚の場合は前四半期比3・9%、昨年同期比2・9%増の1103万頭、鶏の場合は前四半期比3・3%、昨年同期比ではほぼ増減なしの14億7千万羽だった。
また、牛乳の生産量は前四半期比9・1%、昨年同期比5・4%増の61億6千万リットルで、皮の生産量も、前四半期比6・3%、昨年同期比4・8%増の870万枚だった。
卵の生産量は、前四半期2・7%、昨年同期比7・7%増の8億3940万ダースだった。
屠殺量の増加は、カルネ・フラッカや不況に伴う失業率上昇、所得減に伴う購買力低下といった影響から牧畜業界が抜け出してきている証拠で、ブラジル経済が徐々に回復してきている事を示す例の一つといえそうだ。