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ブラジル経済格差=上位1割が富の半分以上を独占=わずか1%が3割近く占有

 世界的ベストセラーとなった「21世紀の資本」で知られる、フランス人経済学者のトマ・ピケティ氏が率いる研究グループの調査によると、ブラジルの経済格差の大きさは世界有数で、中東諸国に次ぎ、インドやサハラ砂漠以南諸国と同じ水準である事がわかったと、14、15日付ブラジル国内紙・サイトが報じた。
 14日に発表された世界格差調査によると、2016年のブラジルでは、経済的に豊かな上位10%が、全体の富の55%を所有していた。他方、貧しい方から50%の人が所有していた富は、わずか12%だった。
 同調査によると、上位10%が所有する富の比率がブラジルよりも高かったのは、61%の中東諸国のみで、55%のインドと54%のサハラ砂漠以南諸国は同水準だった。米国とカナダのブロックは47%、ロシアは46%、中国は41%、欧州諸国は37%だった。
 同じ14日には調査の基となったデータベースが公開された。それによると、ブラジルでは上位1%の人(140万人)が全体の富の27・8%を所有していた。
 これは2015年の数値で、ブラジルの数値は調査対象となった他のどの国よりも高かった。また、2001年は25%だった事と比べると、富の集中化が進んでいる。
 ブラジル以降は、トルコ(23・4%)、イラク(22%)、インド(21・7%)、コロンビア(20・4%)、米国、ロシア(共に20・2%)、南アフリカ(19・2%)、エジプト(19・1%)が続く。
 ブラジル、中東諸国、サハラ砂漠以南諸国では、米国や欧州で起きたような格差是正のための統治体制は一度も生じた事がなく、「非常に激しい経済格差が安定的に続いてきた」と研究者たちは語っている。