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フォルクスワーゲン=ブラジル軍事政権に忠誠尽くした暗い過去=反政府労働者の逮捕などで協力

 ドイツに本社を置く自動車大手のフォルクスワーゲンが14日、同社のブラジル支社が、軍事政権下の1964~1985年に、当時のブラジル軍事政権に忠誠を尽くし、反政府的な労働者の逮捕などに協力していたことを認めた。15日付ブラジル国内紙が報じている。
 同社がドイツの歴史学者クリストファー・コッパー氏に依頼した調査の報告書は、14日にブラジルとドイツで公開された。
 報告書によると、サンパウロ大都市圏サンベルナルド・ド・カンポにある同社工場は1972年頃、反政府的な労働者7人の逮捕に協力、最低でも1人が敷地内で拷問を受けたことがわかっている。
 コッパー氏によると、1964年に軍事政権が生まれた当時は、同社も軍事政権を支援していたわけではなかったが、同政権の経済政策で大きな利益を上げたこともあって、圧制が強まれば強まるほど同政権への評価を上げていったという。
 また、同社の警備員たちが、社内での政治運動や組合の活動などを監察し、軍部に密告していたことも指摘されている。
 同社では、この報告書の内容を明らかにすると共に、軍政で犠牲となった人々を悼むプレートを設置したが、同社のアンシエッタ工場の前では抗議運動も起きた。同社は当時被害にあった労働者への賠償も検討しているという。