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元F1ドライバー、ルーベンス・バリチェロ=サンパウロ市の薬物汚染地帯を訪問=サンタに扮し子供たちと交流

元F1ドライバーのルーベンス・バリチェロ(Duda Bairros/Vicar)

元F1ドライバーのルーベンス・バリチェロ(Duda Bairros/Vicar)

 サンパウロ市中央部には、麻薬常習者が集り、治安も衛生状況も著しく悪い、クラコランジアと呼ばれるエリアがある。
 家庭の経済事情からそこで育つ子供もいるが、本来なら、健全に育つために社会から保護されるべき時期に、劣悪な環境にいるために様々な困難を強いられている。
 18日の朝、そんな環境で育つ200人ほどの子供たちに、嬉しい訪問客があった。元F1ドライバーのルーベンス・バリチェロがサンタクロースに扮して、やってきたのだ。
 バリチェロは子供たちから受けた歓迎がいかに大きかったかを語った。「このあたりは、少し前までは酷く汚れていた。私たちと一緒に活動している人や団体が、ここを綺麗にするために努力してくれた。ほら、この通りだって、薬物常用者やゴミがあふれていないだろ。このこと自体が私から子供たちへの最大のプレゼントさ」と語った。
 バリチェロの作った、バリチェロ・ファミリー協会は、6年前にサンパウロ市役所と提携してプロジェクトを始めた。
 学校がないとき、子供たちはこの協会を通してソーシャル・プロジェクトに参加する。この活動は、スポーツを使って平和のメッセージを送ることに主眼を置いている。
 プロジェクトに参加している教師のレジーナ・エレナ・コンセイソンさんは、この活動における最大の困難は子供同士のコミュニケーションだとした上で、「クラコランジアの子供たちは暴力が日常にあふれる環境で暮らしており、その悪影響を受けているが、私たちは忍耐強く、非暴力的なコミュニケーションに取り組むことで、子供たちが周囲の人とより良く対話ができるようにしている」と語った。
 バリチェロ・ファミリー財団では月に1度、子供たちの両親に対する支援プログラムを用意している。また、青少年向けの職業訓練も行っている。(18日付G1サイトより)