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《ブラジル》送電線入札全11区で成立=これまでにない盛況で閉幕

 国家電力庁が15日、送電線の架設や変電所の建設、その後の運営を担当する企業や企業体を選ぶための入札を行い、11の企業や企業体が11区全てを落札したと16日付現地紙が報じた。
 競売が行われた区間全てが落札したのは、2014年以降、初めてだ。しかも、各区間の入札企者数は4月に行われた入札の約2倍の平均14・09に増えた。また、競争激化のため、収益の分け前を政府が設けた上限の何%まで割り引くかというオファー(割引率)は34・7~53・9%(平均40・46%)に達し、2011年に記録した36・5%を上回った。最初に入札した割引率が同じか5%以下の差だった6区間では、口頭での競りが行われた。
 特に注目されたのは、パラー州とトカンチンス州にまたがる送電線工事を請け負う事になったインド系のSterlite Power Gridや、パラナ州の送電線工事を担当するフランス系のEngie Brasil、トカンチンス州~バイア州間の送電線と変電所建設を請け負うNeoenergiaだ。これら3社は、総額87億4千万レアルに及ぶ予想投資額の77%を負担する事になる。
 送電線の架設や変電所建設工事の期間は36~60カ月、運営も含めた落札期間は30年間だ。
 送電線架設や変電所建設などは長期投資の対象で、入札に応じた企業や企業体数の増加や割引率上昇は、ブラジルの景気回復や今後への期待感の高まりを表していると見られている。また、今回は民間企業の参加率が高いのも特徴で、Engieは初参加で20億レアルのプロジェクトを落札した。
 今回の入札が順調だった事で、国家電力庁は今週行われる予定の発電事業の入札も盛況と期待している。