【既報関連】ブラジル連邦最高裁のリカルド・レヴァンドフスキ判事は18日、テメル大統領が出していた暫定令(MP)805/2017を差し止める決定を下したと、19日付現地各紙が報じた。
このMPは、国家財政健全化の目的で、「来年の国家公務員の給与増額調整を見送る」ことと、「月給5500レアル以上の国家公務員の年金負担率を給与の11%から14%に引き上げる」ことを定めており、議会の承認を待っていた。
「給与調整の1年先送り」は44億レアルの節約、「高額職員の年金負担率増」は22億レアルの歳入増に繋がり、計66億レアル分の経済効果をもたらすと政府は見込んでいた。
自由と社会党(PSOL)による「MP805/2017は、憲法に定められた給与既得権保護に反する」との訴えが聞き入れられた格好だ。
同件は最高裁判事全11人による投票によって正式な決着となる。しかしながら、最高裁は18日で今年の日程を終了しており、投票が行われるのは年明けだ。
レヴァンドフスキ判事は、法によって保障された権利である給与調整が奪われたり、いかなる専門的な分析もないままに、公務員の年金負担率が引き上げられたりしてはならないとし、「国家公務員は給料が高いからといって、言われなき差別に苦しんでいる」とまで判決文に記した。
判決を受けて企画省は、MPによる歳出削減効果は既に来年度予算に織り込み済みだとし、決定は暫定的なものに過ぎず、判事全員の審理で変わりうるとしている。
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