地理統計院(IBGE)が20日に発表した、国内諸市の生活水準調査報告書によると、農村以外の地域に住む人(統計上の都市人口)の76%(4人に3人)は標準以下の環境で暮らしている事がわかったと、21日付現地紙が報じた。
同調査では、市街地住民の生活環境(条件)を、住居、衛生設備(上下水道など)、学歴、所得、購買活動の利便性、ネット環境などの諸項目を基に、A(最高)~K(最低)の11段階にランク付けした。2010年の都市人口は総人口の約半数の9620万人だった。調査では、A~Dランクを「適切な環境」、E、Fを標準としている。
収入が高くても基礎的な衛生設備が整っていないとか、消費財は購入できても学歴がないなど、バランスが悪くてランクが下がる例や、何もかも足りない例もある。
この調査は、ブラジルに蔓延する格差の実態を白日の下に晒した。ブラジリアでは、全体の11%の人々がAランクの環境で生活しているが、北東部の諸州では、ほぼ6割の人がGランク以下の環境で暮らしている。
サンパウロ市はちょうど中間に位置し、Aランクの環境で生活できている人は2・8%しかいないが、最低のKランク層は0%だった。
マラニョン州州都のサンルイス市は、人口の15・8%がKランクで暮らしている。サンパウロ市やリオ市では、Kランクの人はいない。
ブラジル南部諸州の市街地に住む人は、72・2%が、Fランク以上(中程度以上)の環境で生活できているが、北東部では59・9%、北部では56・3%の人が、生活の質が劣るから劣悪にあたる、G~Kランクに位置している。
ブラジルの都市人口全体では、上位4段階(Dランク以上)に匹敵する生活環境にいる人は23・9%のみで、76・1%は標準以下だった。
Aランクの生活環境を享受している人の割合が桁違いに高い市は、ブラジリアだ。その他でAランクの人がいた市は、ベロ・オリゾンテ、リオ、サンパウロ、フロリアノポリス、ヴィトーリア、ポルト・アレグレ、カンピーナス、サルバドール、フォルタレーザ、クリチーバだけだった。
「Aランク、Bランクの生活ができるかどうかは、購買力にかかっている。他の都市には高額所得者がいないというわけではなく、A、Bランクの生活ができる都市になるために必要なだけの高額所得者がいないということだ」と、IBGEの地理学者、マウリシオ・ゴンサウヴェス・エ・シウヴァ氏は語った。
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