リオ・グランデ・ド・ノルテ州都のナタールでは、数カ月に及ぶ給与遅配に抗議し、19日より軍警を含む公務員がスト入り。20日には市警や刑務所職員らもストに加わった。この混乱に乗じ、21日未明には商店の扉やシャッターを破壊して商品を盗み出す事件も続発したと、20、21日付現地紙・サイトが報じている。
21日未明に略奪の被害にあったのは、市内東部と西部の少なくとも五つの商店で、犯人は捕まっていない。
市警や刑務所職員は、スト中も人員を削減して緊急時の対応を行っているが、夜間対応を行っていた警察署によると、20日夜から21日未明にかけては、車両盗難も36件起きたという。
また、同州の主要州立病院も、看護士や医師、職員の半数が出勤せず、機能に障害をきたしている。当該労組は、職員たちは通勤するバス代さえも払えないほどに困窮しているとしている。
被害に遭った商店の防犯カメラには、車をバックさせてシャッターを破壊し、店内に侵入する賊の姿が映っていた。犯人たちは誰も近づけないように、上方に向けて銃を放っていたとの目撃証言もある。
商店や銀行を襲撃する例は19日から連続して起きており、同州のロビンソン・ファリア知事は20日、首都ブラジリアに出向き、連邦政府に国家治安部隊(FN)や軍の増援を要請している。
21日昼のTVニュースでは、州政府は12月29日までに11月の給与、来年1月10日までに今年の13カ月給を払うと約束したと報じた。
リオ・グランデ・ド・ノルテ州同様、深刻な財政危機に陥っている州は、リオ、ミナス、リオ・グランデ・ド・スール、セルジッペなどで、リオ州では19日と20日に、昨年の13カ月給がようやく支払われた。