今年のブラジル国内サッカー界の顔として、マスコミ各社選定のMVPを総なめにした、元ブラジル代表(セレソン)でコリンチャンスのFWジョーの、日本のJリーグ名古屋グランパスへの移籍話が22日に急浮上した。
2014年にセレソンの一員として自国開催W杯に出場するも、無得点に終わったジョーは、当時所属のアトレチコ・ミネイロでも規律違反行動を繰り返し、同チームの監督だったレヴィー・クルピ氏(奇しくも、同監督も18年からJリーグ、ガンバ大阪の指揮をとる事が決定している)の逆鱗に触れ、翌2015年には追われるようにアラブ首長国連邦のアル・シャバブに移籍。16年2月からは中国の江蘇蘇寧に所属するも、期待はずれのパフォーマンスで、7月には解雇処分を受けていた。
そんなジョーに手を差し伸べたのが、育成時代に所属し、16歳でチーム史上最年少プロデビューも飾ったコリンチャンスだった。16年10月に、プレーは翌17年からという条件で契約したジョーに対しては、「もう終わった選手」「半年以上も実戦から離れていたのに大丈夫か?」と不安視する声が大半だったが、そんな声を見返す、堂々の64試合出場、25得点の活躍で、今年のコリンチャンスのサンパウロ州選手権、ブラジル全国選手権の2冠達成に大きく貢献した。
再びサッカー界の表舞台に戻ってきたジョーには、欧州や中国からの移籍オファーも届いていたといわれているが、最終的にジョーとコリンチャンスが選んだのは、日本のJリーグで、18年からのJ1復帰を果たし、ジョーを名門復活の起爆剤にしたいと願う名古屋グランパスだった。
名古屋側が提示した移籍金は、1100万ユーロ(約15億円)と報道されており、来年3月に31歳を迎える選手としては破格の金額だ。
来年は2年ぶりに南米大陸王者を決める、リベルタドーレス杯に参加するコリンチャンスにとって、攻撃の大黒柱を失う痛手は確かに大きいが、チームの財政難を考考慮すると、断りがたいグランパス側からのオファーだったといえる。
この一報が流れた22日の午後、ブラジルのスポーツマスコミはまさに蜂の巣をつついたような騒ぎになった。直後には、「正式決定は週明けのメディカルチェック後」との報も出ており、クリスマス明けの26日にも正式発表かとの憶測も流れたが、現地時間12月26日午後4時の時点では、ジョーがメディカルチェックを行ったとの報は流れていない。(規)
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