ゴイアス州都ゴイアニア市近郊の農工業地帯アパレシーダ・デ・ゴイアニア市の複合刑務所で1日午後、囚人同士の喧嘩から暴動が発生し、囚人9人が死亡、14人が負傷、脱走者も出たと、2~3日付現地各紙・サイトが報じた。
暴動を起こしたのは、夜間、休日、祝日以外は刑務所の外で過ごす事が許されるセミアベルトと呼ばれる囚人たちだ。暴動では同刑務所内のC棟にいた囚人らが、A、B、D棟に侵入し、対立する犯罪組織所属の囚人らに暴行を加えた後、放火した。死者の内2人は首を切り落とされた上、全員の死体が炭化しており、身元の確認が難航している。
同州保安刑務所管理局によると、混乱に乗じて106人が逃走した。29人は1日夜までに捕獲されたが、77人は逃亡状態にある。
暴動は1日の午後の内に、警察によって鎮圧された。逃走した106人の他に、127人が暴動に巻き込まれるのを避けて刑務所から出たが、暴動が終了すると全員刑務所に戻った。
また、翌2日は、ゴイアニア市から60キロ離れたアナポリス市で、刑務所職員2人が別々に殺される事件も発生した。2人とも車に乗っているところを襲われ、20発以上の弾丸を浴びた。警察はこれらの事件が、犯罪組織による治安当局への報復を表しているのか、犯行の指示が刑務所の内部から出されたかに関しても捜査している。
リオ・グランデ・ド・ノルテ州ナタールでも、警察ストの混乱続く
また、リオ・グランデ・ド・ノルテ州都のナタールでも、昨年12月19日に始まった警察のストが続いており、州内の混乱が広がっている。12月29日からはブラジル軍が現地入りし、警備を行っている。
軍警は12月19日、市警は翌20日からストを行っており、昨年11月、12月の給与と13カ月給の支払いを求めている。市警は完全に職務を停止したわけではなく、人員を大幅に削減し、警察署ごとに交代で業務を行っている。
12月31日には同州連邦地裁が、ストの責任者を逮捕するよう判決を下した。1月2日には市警の総会でスト(人員減の交代業務)継続が決められたが、軍警の一部は職務に戻っている。
3日朝には、市警たちが自ら、腕に手錠をはめてナタール市の市警本部に出頭した。
同州の市警及び公共保安職員組合(Sinpol)のニウトン・アルーダ会長は、「我々はストを行っているわけではない。最低限必要な物がなく、給与遅配で買う事も出来ず、食べる事も出勤する事もできない状態にあるだけだ」とし、ある市警は「逮捕されてやる。刑務所には少なくとも食べ物はあるだろう」と窮状を訴えた。
非公式ながら、同州ではストが始まった12月19日から1月2日までの15日間に発生した暴力事件による死者は101人との発表もある。