5月13日に文協大講堂開催が決定したWILL株式会社(中井良昇代表取締役社長、東京本社)主催『第2回ウィルフォン・チャリティーコンサート』に出演する演歌歌手、美川憲一が先月1日に東京都内で取材に応じた。海外での公演は、昨年1月の米ロサンゼルスに続く2回目。初来伯となる美川憲一は「皆さんにお会いできることが最大の喜びよ。楽しみに待っててよ」と呼びかけた。藤瀬圭子プロダクションとサンパウロ新聞社が中心となって実行委員会を設置し、年明けから宣伝活動と入場券配布を行う。
美川憲一はNHK紅白歌合戦に26回も出場するなど、言わずと知れた演歌界の大御所。120万枚以上の大ヒットとなった「柳ヶ瀬ブルース」のほか「新潟ブルース」「釧路の夜」「さそり座の女」など多数のヒット曲がある。
米ラスベガス、タイ、フィリピン、台湾のホテルでディナーショーを行なってきたが、本格的な海外公演は2回目。昨年ロス公演では、最後に観客総立ちで拍手喝采になるほど盛上ったといい、「ロス公演に負けないよう盛り上げるわよ」と意欲を見せる。
「私のショーを観ると元気が出る。『しっかり生きなきゃだめよ』というメッセージが伝わるからよ」と説明し、「リクエストの多い曲を歌い、何かを感じていただく。心にしみる歌をたくさん歌うわ」とも。密度の濃いショーになりそうだ。
サービス精神旺盛でアンコールにも気軽に応じ、会場の来場者との距離感を大切にしているのも特徴。「会場ではお客さんとキャッチボールするのよ。舞台から客席におりてね」と語り、「公演時間は70分だというけど10分や20分は必ず延びるわよ」とも。
「日本のショーでもお年寄りが多いの。だから、舞台では産みの母、育ての母の話もさせていただきます」と語り、歯に衣着せぬ物言いで知られるだけに、お喋りも楽しめる公演となりそうだ。公演には漫才師の東玉助も司会として同行し会場を盛り上げる。
「日本を離れてブラジルで生きるということは大変だったと思います。でも今、元気で生きているということは素晴らしい。日々、いろいろなことはあると思います。私の舞台を観て元気になってほしい」と語りかけた。
「私はしぶとく生きることが大好き。皆さんもしぶとく生きてきたでしょ。日本に帰りたいと思っても帰れなかったんだと思います。そんな中でしぶとく生きてきたんでしょ。私もしぶといわよ」と日系社会に共感のメッセージを送った。
今公演の詳細は現在調整中。WILL社は、一昨年から日系人向けにIPTV電話のレンタル事業を開始し、昨年3月の橋幸夫公演に続く2回目の慈善公演となる。今公演はブラジル日本移民110周年記念事業に認定され、収益の一部は同委員会と福祉4団体に寄付される予定。