リオ・グランデ・ド・スル州ポルト・アレグレ市の連邦第4地域裁(TRF4)では、24日に、サンパウロ州グアルジャーの高級三層住宅に関連した、ルーラ元大統領(労働者党・PT)の収賄や資金洗浄疑惑に対する第2審が行われる。ルーラ氏は裁判に出席する意向を表明済みで、当日は大量の支持者が同市に集まると見られるため、同市市長が4日、テメル大統領とラウル・ジュングマン国防相に陸軍派遣を依頼した。5日付現地紙が報じている。
ポルト・アレグレのネルソン・マルケザン・ジュニオール市長(民主社会党・PSDB)は4日、ルーラ氏のTRF4での裁判の日に備え、大統領と国防相に陸軍派遣の要請書を提出した。
同市長によると、「この日は政治的な指導者たちが現地に集まり、マニフェスタソン(抗議行動や示威行為)を行う事になっている。市民や建物を守らなくてはならない」というのが、その理由だという。
マルケザン市長はこのデモに関して、「(ルーラ政権の官房長官だった)ジョゼ・ジルセウ氏らがマニフェスタソンを煽っている」と語っている。ジルセウ氏は12月に、1月24日を「抵抗の日」とするよう呼びかけており、3日にも、「法衣を着た人物による圧政を許すな」とのメッセージを流している。
デモが予想される場所は三つある。ひとつは検察がルーラ支持派用に要請した、同裁から2・5キロ離れたファロウピーリャ公園、もうひとつは検察がルーラ反対派用に要請した、同裁から4・5キロのモイーニョス・デ・ヴェント公園だ。だが、同州判事はTRF4のすぐ側のアルモニア公園をルーラ支持派と反対派双方が集まる場所に指定した。PTは22日か23日から同公園に集まり、ジウマ氏も招いた集会を開く予定だ。
24日の第2審は、ブラジル政界に大きな意味を持つ。ルーラ氏は昨年7月にパラナ州連邦地裁で行われた第1審で、サンパウロ州グアルジャーの高級三層住宅を介したOAS社からの収賄疑惑で、9年6カ月の実刑判決を受けた。大統領選の世論調査での同氏は常に、30%以上の高支持率を得てトップに立っているが、第2審でも有罪となれば、10月の大統領選への出馬が不可能となりうる。
このため、ルーラ氏の今回の裁判は、国内外で注目されている。
PTのグレイシ・ホフマン党首は4日、マルケザン市長の判断を「信じがたい」と批判、「我々に対する恐怖感を露骨に示している」と語った。
同市長は、反PTの一般政治団体として知られるブラジル自由運動(MBL)と繋がりのある人物としても有名だ。
一方、ラウル・ジュングマン国防相は、陸軍派遣や陸軍兵増員の依頼は州知事が行うべきことと回答。大統領府は国防相と法務相に市長からの派遣要請を送付しており、今後の対応を両省と話し合う意向だが、同州保安局長は4日に「現時点では軍派遣の必要性を認めない」と語っており、州知事からの派遣要請が出る可能性は薄そうだ。