ブラジル人企業家のカルロス・ウィザード・マルチンス氏が8日、世界有数のレストラン経営会社であるYum!Brandsとの間で、KFC(ケンタッキー・フライド・チキン)とピザ・ハットのブラジル国内での営業権買い取りで合意が成立したと発表した。
世界中に2万店舗以上のレストランを持つYum!は、昨年も最初の9カ月間だけで43億ドルを売り上げている。同社はブラジルにも進出しているが、売上が思うように伸びないため、ウィザード・グループがメキシコ料理のタコ・ベルの営業権を買い取った後、15カ月間で20店舗を開設したのを見て、KFCとピザ・ハットの営業権買い取り交渉を持ちかけてきた。
直接の交渉を担当したのは、カルロス氏の息子のチャールス氏とリンコン氏が経営する、投資会社のSforzaだ。
KFCは現在、ブラジル国内にフランチャイズ33店舗を含む、47店舗を展開中。ピザ・ハットは、フランチャイズのみで180店舗ある。
Sforzaが経営を担当する事になるのは、Yum!が所有するKFCの直営店14店舗だ。Sforzaでは、今後5年間で6千万レアルを投資し、さらに20店舗の直営店を開設する予定だという。ピザ・ハットに関しては、7500万レアルを投資し、35店舗を開設する意向だ。
市場関係者によると、Yum!がブラジルでうまくいかなかった理由の一つは、米国では85%のシェアを持つドライブスルーがブラジルの土壌に合わなかった事だ。ブラジルのレストランでのドライブスルーは、25%にも満たない。
カルロス氏によると、ウィザード・グループは今後10年間で、タコ・ベルも含む3銘柄のレストランを1500店舗開設する計画を立てているという。同氏によると、ブラジルでは景気後退の時期ですら、ファストフードの店は年間10%の成長を遂げており、景気が回復すれば、成長は一気に加速するはずだという。ブラジルの外食産業は、年間4千億レアルが動く成長産業だ。
ウィザード・グループでは、KFCとピザ・ハットは、ブラジル国内で5億レアルを売り上げられると見ている。(9日付エスタード紙より)