10日付のフォーリャ、エスタードの両紙の表紙は、共に同じテーマによるものだった。それは、9日午後行われるはずだったクリスチアーネ・ブラジル氏の労働相就任式の会場の写真で、キャンセルにより人は誰もおらず、写っているのは掃除夫ただひとり、というものだ。この写真を見ていると、同氏の父ロベルト・ジェフェルソン氏が涙まで流して喜んだ大臣就任のぬか喜びの空しさと、無人の中でただ一人働かされる労働者のわびしさの両方が感じられる。写真1枚だけで、皮肉やドラマ性をも垣間見させることのできる、見事な表紙。こうしたところは現地紙のセンスのなせる技だ。
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8日、サンタカタリーナ州カンポ・アレグレで、車で走行中に路肩を外し、100メートル下の谷底に落ちた50代の夫婦が、36時間後に無事救出された。2人は6日午後10時頃、崖から転落。車の中には食べ物や水もない上、携帯電話も、シグナルがなくて連絡がとれないという、絶望的な状態だったが、8日朝、両親を探し続けていた息子が現場にたどり着き、大声で名前を呼んだため、所在が掴めた。息子の通報で救助隊が駆けつけたのはそれからだが、奇跡的な救出劇だ。
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8日午後9時頃、サンパウロ市南部シダーデ・ミリアムで6人組の強盗がバスを乗っ取り、乗客と運転手を降ろした後、バスを焼き討ちした。これは、彼らの仲間が警察の追跡を受けて殺されたことへの報復と見られている。9日には、同市の7月9日通りで、バス料金値上げへの抗議でタイヤに火がつけられた。物を燃やす必要はあるのだろうか。
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