サンパウロ州のジェラウド・アウキミン知事(民主社会党・PSDB)は10月の大統領選に向け、支持政党の獲得に動き始めているが、ここに来て、テメル大統領からの好意的な発言を得た。さらに現地紙読者からも良い反応が出始めている。11日付現地紙が報じている。
アウキミン氏は、PSDBが連立与党を離脱した状態がゆえに、現状では大統領選では不利のように見える。
それは、テメル大統領の民主運動(MDB)を中心とした連邦政府が、連立与党の代表という形の候補を出そうとしているからだ。さらに、例年はPSDBと連立を組んでいるはずの民主党(DEM)も、ロドリゴ・マイア下院議長を候補として擁立する意向を固め、既に政党協力を求めて動き始めている。
そうしたこともあり、アウキミン氏は現在、大統領選での協力政党を、主に連立与党外の政党に求めている。
11日付エスタード紙によると、同知事は現在、サンパウロ州副知事のマルシオ・フランサ氏所属のブラジル社会党(PSB)はじめ、社会大衆党(PPS)や緑の党(PV)、連立与党内の共和党(PR)やブラジル労働党(PRB)といった、中規模政党との選挙協力を探っているという。
仮に、例に挙がった政党との連立が可能となれば、MDBやDEMと組まなくても、大統領選の選挙放送での1回あたりの放送時間が4分程度となり、それなりの長さを確保できる。
さらに、テメル大統領がアウキミン氏を賞賛する発言を行ったという報道も11日付エスタード紙でなされている。テメル氏は、10月の大統領選で国民が求めているのは「安心感と平静さ」だとし、アウキミン氏は「その条件を満たしている」と評価したという。
テメル氏はさらに、現時点で連邦政府を代表する大統領候補の一人として名前が挙がり始めているエンリケ・メイレレス氏(社会民主党・PSD)に関して、「続けて財相をつとめてほしい」と語り、マイア氏に関しても「下院議長再選を目指すはずだ」と語ったという。
また、11日付フォーリャ紙によると、同紙の読者に対して行ったアンケートでは、アウキミン氏が23%の支持を受けており、ルーラ氏の16%を上回って、大統領になってほしい候補の1位となっている。これまでのダッタフォーリャの世論調査では、ルーラ氏が30%以上の支持で圧倒的な1位で、極右のジャイール・ボルソナロ氏がそれに続く構図だった。国民全体像とは異なるとはいえ、初めて、アウキミン氏に有利なデータが出たことになる。