サンパウロ市で最初に黄熱病に感染した猿の死体が発見された公園で、黄熱病のウイルスに最も敏感なクモザル科の猿が全て死滅したと、11日付現地紙サイトが報じている。
サンパウロ市北部のオルト・フロレスタル公園で猿の死体が発見されたのは、昨年の10月9日だ。その後の検査で、この猿が黄熱病に感染していたことが確認され、同月20日には同公園と、同じ植生のカンタレイラ公園(共に州立)が閉園となり、同市北部での黄熱病の予防接種も始まった。この出来事は、サンパウロ市での現在に至る黄熱病パニックの契機となった。
公園閉鎖は市立公園や州立エコロジコ公園にも広がったが、州立公園三つは今月10日に再開された。ただ、オルト公園内にいたクモザル科の猿17グループ、86匹は黄熱病で死滅した。
だが、同公園に生息する他の3種の猿は、現在も生き延びている。黄熱病は、ハエマゴグス種とサベテス種の蚊がウイルスを媒介することによって引き起こされる。
生物学者のマルシオ・カルヴァーリョ氏によると、クモザル科の猿のみが死滅した原因はまだわかっていないという。
なお、サンパウロ市内の州立公園は10日の午前中から再開したが、サンパウロ大都市圏では、サンパウロ市立など、23の公園が閉鎖されたままだ。
再開された州立公園では、黄熱病の予防接種を受けた人か、防虫剤を所持している人にのみ、入園を許可しているが、専門家は防虫剤のみだと、感染予防効果は保証できないと警告している。