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《ブラジル》国債格下げ巡り責任なすり合い=大統領選候補者がさや当て=牽制しあう財相と下院議長

メイレレス財相(José Cruz/Agência Brasil)
メイレレス財相(José Cruz/Agência Brasil)

 【既報関連】米国のスタンダード・アンド・プアーズ社(S&P)が11日、ブラジル国債(ソブリン債)の格付をBBからBB-(マイナス)に下げた。16年8月のテメル政権発足以来、初めての国債格下げは痛手であり、大統領選に出馬したい候補者らは早速、この件を巡って責任のなすりあいなどのさや当てを始めたと、13日付現地各紙が報じた。

 格下げの発表直後に、エンリケ・メイレレス財相は、社会保障制度改革の遅れを議会の責任とする発言を行った。これに対し、ロドリゴ・マイア議長(民主党・DEM)は不快感をあらわにし、テメル大統領に電話で「財相の発言はあんまりではないか」と不満を漏らした。
 財務省はその後、「ブラジルにとって必要な法案を承認してくれるよう、今後とも議会には期待する」と、トーンを弱めた修正文を出した。
 大統領選出馬もささやかれる、メイレレス財相と、マイア下院議長の確執も、ブラジル国債格下げにかかわる議論に影響を及ぼした。大統領選出馬への意欲を見せている両者の間には、ライバル心、お互いを警戒する気持ちがあるとの情報もある。
 格下げから一夜明けた12日、テメル大統領と会談したメイレレス財相は、「格下げは特定の誰かの責任ではない。また、これに左右されることなく、2月の下院議会で、社会保障制度改革を成立させる事が重要」と記者団に語った。
 マイア議長が大統領選出馬を視野に入れていることについて問われた時も、同財相は、「現政権の中心的役割を担っている人物が、次の選挙に出ることは、理にかなっているし、健全な動きだ」と答えた。
 困窮する国家財政を健全化するため、社会保障制度改革は、テメル政権最大の課題だ。歳出上限法や労働法改正などは通してきた政府だったが、昨年5月のJBSショックやそれに伴う大統領告発のせいで賛成票の取りまとめに苦戦したことで、社会保障制度改革の採決は今年のカーニバル以降に先送りとなった。
 政府の言い分は「社会保障制度改革を行わないと、ブラジル国債の格下げが起こり、経済の回復が遅れる。だから社会保障制度改革に賛成を」だが、議員側は目前の選挙が気になる。マルクス・ペスターナ下議(民主社会党・PSDB)は「社会保障制度改革に賛成し、票を失う事のほうが議員たちは怖くて、説得は容易ではないだろう」と語る。
 国家の財政状況や信用度を測る格付け会社にとっては、社会保障制度改革が遅々として進まないことが、今回の国債格下げにつながった。

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