コリンチャンスで17年サッカーブラジル全国選手権の得点王とMVPに輝いた元セレソンFWのジョー(30)が、日本の名古屋グランパスに移籍することが昨年末に発表された。グランパスは最低でもJ1残留、あわよくば上位進出、カップ戦では優勝も狙いたい。そのためには助っ人ジョーの大活躍が欠かせない。そのジョーを活かす役割を期待されている攻撃的中盤のブラジル人選手、ガブリエル・シャビエル(24)を9日午後5時、日本に向うグアルーリョス国際空港で直撃取材した。(井戸 規光生記者)
グランパスは一昨年J2に降格するも、昨年はJ2で3位となり、プレーオフの末に今年のJ1復帰を決めた。しかし、昨年J2の3位といえば、今年のJ1の全18チーム中では18番目の位置づけ。強力な得点源が欲しいところ。
期待されるガブリエルは昨年7月のシーズン途中にグランパスに加入した。J2リーグ戦16試合に出場し、7得点15アシスト、プレーオフの2試合でも活躍して昇格の原動力となった。
グランパスに移籍する前、ブラジル1部のヴィトーリアに所属していたが、当時J2だったグランパスのオファーを受け入れた理由を尋ねると、「日本という国への興味もあった。グランパスはJ2だったけれど、僕を中心に戦って、J1に復帰して、さらにチームを強化していきたいというプランを示してくれて、納得したから契約したんだ」と振り返る。
「チームメイト、同じブラジル人選手のワシントン(31)の助けもあって、早く日本に慣れることができた。それがプレーにも良い影響をもたらした」と語る。事実ガブリエルの加入後、グランパスは順位を上げ、一時はJ1自動昇格となる2位も目前だったが最終的には、22チーム中3位に終わった。
3~6位の4チームでたった1枠の昇格を争うプレーオフに臨んだグランパス、負ければ昇格は夢と消えるが、「プレッシャーに負けることなんてない。僕は大事な試合では力を発揮できるタイプ」と語るガブリエルは、プレーオフ準決勝、決勝の2試合でも活躍し、グランパスを昇格に導いた。
初の国外移籍シーズンを、満足のいく結果で終えたガブリエル。つかの間のオフを家族とサンパウロ州沿岸部のジュケイー市で過ごし、英気を養った。休暇中の昨年12月末には、大物選手ジョーがグランパスでチームメイトになる事が判明した。
ジョーとのプレーについて「彼の加入に驚いた。ジョーの実力には疑いの余地はない。誰だって彼のようなキャリアを持つ選手とプレーすることは楽しみなはず。特に自分は中盤のチャンスメーカーだから、彼とのコンビでゴールを量産したい」と語る。
自らの活躍でグランパスJ1復帰を果たしたガブリエルは、ジョーと共にJ1でグランパス旋風を巻き起こすことができるだろうか?
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グローバル化が進むサッカー界、8日付のイタリアのスポーツサイトには「名古屋のガブリエル獲得に、スペイン1部のヘタフェが興味?」との報道も出ている。現在は中国の上海上港でプレーしているフッキ(31)のように、J2でプレー経験がありながら、その後J1、欧州チーム、セレソン入り、W杯出場と飛躍を遂げた選手もいる。
「いつかは欧州行きも考えている? 」と聞くと、「その夢はサッカー選手なら誰でも持っている。ブラジル代表入りだってね。でも今はグランパスでのプレーに集中する」と地に足の着いた発言だった。
ブラジル全国選手権得点王のジョーの実力は折り紙つきだが、その力を活かすも殺すもガブリエル次第?