一昨年10月より金利引き下げが基調となり、政策金利(Selic)は史上最低値の年利7・00%までに一気に落ち込んだ。だが、各銀行は「まだ不渡りが多い」として、個人向き融資の金利を同じように下げていない。その状況下、政府の要請で、各銀行は特別小切手(Cheque Especial)の利率を下げる事になるだろうとブラジル中銀総裁が発言したと、17日付現地紙が報じた。
16年10月から昨年12月までに、Selicは年利14・25%から7・00%へと、半分以下になった。それにあわせて、一部のクレジットカードなどの利率は下がったが、特別小切手の利率は年利330・6%から323・7%になっただけ。ほぼ変わっていない。
これは特別小切手を使って1千レアルの借金をすると、1年後には負債額は4237レアルに膨れ上がるということ。現在個人向け融資の中では2番目に大きな利率だ。個人向け融資で最大の利率は、リボ払いの支払い遅れにかかる利率で、年利換算では410・4%だ。
特別小切手を使う人々のほぼ5分の1は、負債を何週間にもわたって繰り越している。昨年11月の時点で、全銀行が特別小切手によって融資した総額は246億レアルだ。その14・2%にあたる35億レアルは、90日以上に渡って限度額を借り続けているものだった。
イラン・ゴールドファジン総裁は、「特別小切手は、今後見直しが必要であり、ブラジル銀行協会連盟(Febraban)も検討している。各銀行が自主的に利率を下げる事が望ましいが、もし下がらないならば、何らかの処置を中銀がとる必要がある」とした。
政府が特別小切手で提案しているのは、返済の遅れた借金に高利をかけるのではなく、自動的に低利の返済プランに変更して債務が拡大するのを防ぐ仕組みだ。
同総裁は、「特別小切手の仕組みの変更は、リボ払いの仕組みの変更にヒントを得ている。多くの人々を雪だるま式に膨らむ債務から救うものだ。高利の借金を何カ月も放置してはいけない。最初は小額でもすぐに返済不可能になる。高すぎる債務は債務者にとっても、金融機関にとっても、決してよいものではない」と語った。
巨額債務に苦しみ、不渡りを出す人が多くなりすぎているとして、連邦ロタチーボ(リボ払い)と呼ばれる分割払いの仕組みを、政府は昨年一部変更した。これにより、支払い遅れの分に毎月金利が複利でかかって債務膨張していくことに歯止めをかけていた。
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