ブラジル連邦政府は16日、連邦貯蓄銀行(CAIXA)の副総裁12人の内、4人を期限付きで職から解くことを決定したと16~18日付現地紙・サイトが報じている。
昨年末には連邦検察庁や連警が、汚職に関与の疑いありとして12人の副総裁全員の解任を求めていた。一旦これを拒否したテメル大統領だったが、ブラジリア連邦区検察や、中銀の勧めもあり、最終的には調査対象となっている4人の副総裁を停職とした。
検察と連警による捜査では、自分を副総裁に推薦した各政党を利する不正行為を、業務に隠れて行っていた疑いが持たれている。
停職となったのはアントニオ・フェレイラ(ブラジル共和党・PRBの推薦・以下党名のみ)、デウジーナ・ペレイラ(共和党・PR)、ロベルト・デ・サンターナ(民主運動党・PMDB)、ジョゼ・ダ・クルズ(進歩党・PP)の4人だ。
停職とはならなかったが、ジルベルト・オッキ総裁もPPの推薦でCAIXAに入行している。
停職となった副総裁の一人、アントニオ・フェレイラ氏は、捜査に対し、「エドゥアルド・クーニャ前下院議長(PMDB)から、5千万レアル以上のCAIXAのオペレーションに関する情報を逐一提供するように圧力をかけられていた。そのことを当時のテメル副大統領にも相談した」と明かしている。
4人の副総裁の停職に繋がった捜査は三つある。公社職員の年金基金を巡る不正を摘発する「グリーンフィールド作戦」、CAIXAが扱う勤続期間保障基金(FGTS)の資金を使う投資ファンド関連汚職を捜査する「セプシス作戦」、賄賂と引き換えにおこなわれたCAIXAからの不正融資を捜査する「クイ・ボーノ作戦」だ。
これらの捜査は、停職となった4人の副総裁の他に、エドゥアルド・クーニャ、エンリケ・アウヴェスの下院議長経験者と、ジェデル・ヴィエイラ・リマ前総務室長官とその弟ルシオ・ヴィエイラ・リマ下議(全てPMDB)など、CAIXAの人事に影響力を持っていた政治家や、J&F、コンスタンチーノ社、オデブレヒト社などの各企業家に焦点が当たっている。
捜査における供述ではテメル大統領やモレイラ・フランコ大統領府事務局長官などの名前も取りざたされている。