年明けから高騰が続く、サンパウロ株式市場指数(Ibvespa)は17日、8万1189ポイントで取引を終えて史上最高値を更新したと18日付現地各紙が報じた。
前日16日の終値7万99831ポイントから1・7%の上昇だった。Ibovespaは昨年全体で27%上昇し、史上最高値を記録。その勢いは年明けも止まらず、既に年初からの上昇率は累積6・27%に及んでいる。
投資顧問会社オラマのエコノミスト、アレシャンドレ・エスピリト・サント氏は、「中国でも米国でも株価は好調で、その流れがブラジルにも来ている。投資先を探す国際投資家にとってブラジル株はまだ割安」と語る。「リーマンショック前の08年5月に7万3516ポイントを出している。それから現在までのインフレ率を考えると、株価の最高記録というならば13万ポイントを超えていなくては。8万1千ポイントではまだまだ」と語る専門家もいる。
社会保障制度改革の難航に関しては、「それは昨年11月に世界の株価が上昇したのに、ブラジル株だけ7万ポイントを割り込む寸前まで落ち込んだ事で株価には織り込み済み。専門家たちは今年2月どころか、次期政権発足後となる来年まで社会保障制度改革は遅れると思っている」と市場調査会社MBアソシアードスの主席エコノミスト、セルジオ・ヴァーレ氏は語る。
しかし、経済調査機関、ピーターソン研究所の調査員モニダ・ボッレ氏は、「株価はブラジルの実体経済から乖離している。どんな経済指標も高い株価を説明するのに充分ではない。ブラジルは根拠のない熱狂に入っている」とした。さらに「24日の判決がどう転んでも、まだルーラ元大統領(労働者党・PT)は今年の大統領選挙のキーマン。もし彼が大統領になれば、社会保障制度改革など水泡に帰す。そんなリスクもあるのに楽観的になれるだろうか?」と結んだ。