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《ブラジル》テメル大統領、港湾条例疑惑を全面否定で強気の対応=連警からの50問に答え

17日のテメル大統領(Alan Santos/PR)

17日のテメル大統領(Alan Santos/PR)

 【既報関連】連邦警察からの50の質問に対して、テメル大統領の文書回答が19日付現地紙で公表され、疑惑に関し一切否定した。昨年5月に公布された港湾条令に関し、元側近を仲介役にして、特定の港湾企業に有利な港湾運営契約を延長させて不当な恩恵を施し、代わりに収賄を受けていた疑惑だ。本人は否定しても、唯一の捜査対象であるこの件に関し、疑惑はなおも残っている。

 テメル大統領の元側近ロドリゴ・ロシャ・ロウレス氏が仲介役であると指摘したロドリマール社社主リカルド・メスキータ氏について、テメル氏本人は「面識がない」ととし、同社から「献金を受けたことは一度もない」と全面否定した。
 ロウレス氏が連警に関与を否定していたことは16日付け本紙でも報じたが、今回テメル氏自身も「ロウレス氏はテメル氏が副大統領だった2013年から港湾問題の窓口役をしていたという説があるが」との質問に対し「そのような事実は一切ない」と否定した。
 テメル氏への港湾疑惑の捜査が最高裁の許可で開始されて以来、ロドリマール社には強い疑惑がもたれている。これらの疑惑は、ロドリマール社の3人の報奨付証言(デラソン・プレミアーダ)から出てきた。
 フォーリャ紙のみの報道ではあるが、同社から連邦警察に届けられたものに賄賂分配表があり、「MT」とテメル氏のイニシャルで書かれた部分があり、128万レアルが支払い済との記載も。
 連警からの質問には、ロドリゴ・ジャノー前検察庁長官がテメル氏の汚職疑惑への関与を疑っていた元軍人のジョアン・バチスタ・リマ・フィーリョ氏や、特別秘書だったジョゼ・ヌーネス氏を仲介としてテメル氏が収賄した可能性を問うものもあった。それに対し、「なんと失礼な」と憤る箇所もあったという。
 この港湾条例疑惑は、昨年4月、ロウレス氏がJBS社から賄賂をカバンに入った現金で受け取り現行犯逮捕された際に、ロウレス氏の携帯電話での会話で浮上した疑問だった。テメル氏はこのJBSとの関係についても「自分の名を代表する形で同社との交渉につかせたことは断じてない」と否定した。