サンパウロ市地下鉄労組などから反対を受ける中、サンパウロ州政府が5号線と17号線の運営企業の入札を19日に強行し、予想通りCCR社が組むコンソーシオが落札したと同日付現地サイトが報じている。
落札額は5億5388万レアル。入札開始額である1億9430万レアルから185%増となる金額だった。
入札したのはCCR社とルアズ・インヴェストが組むコンソーシアムだ。資本配分は前者が83%、残りの17%を後者が負担する。
CCRのレオナルド・ヴィアーナ社長は「落札額は、サンパウロ州の発展にとって不可欠な投資額だと思う」と語っている。同コンソーシオは既に4号線のほか、3つの事業で運営をまかされている。
CCR社は株主の中にカマルゴ・コレア社(株の13%)やアンドラーデ・グチエレス社(14%)を含んでいる。
CCR社と入札を争ったコンソーシオはJSL社が中心となったCSブラジルだった。同コンソーシオは韓国のソウル・メトロとつながりがあり、サンパウロ州での旅客輸送実績はグアラレマやモジなどのバスがある。
今回の入札は混乱の末に行なわれた。5号線や17号線をはじめ、民営化路線を拡張しようとするサンパウロ州の方針に、地下鉄の組合やサンパウロ市民の一部が強く反発。それが18日のサンパウロ市地下鉄ストにつながっていた。
CCR社が落札するものとの予想が当初から強く、公正な入札ができないのではとの危惧があったため、サンパウロ州議員のサミア・ボンフィン氏とトニーニョ・ヴェスポリ氏の二人(共に社会主義自由党・PSOL)がサンパウロ州地裁に訴え、入札差し止め暫定令まで出ていた。
今回の入札は、その暫定令が解除された18日の夜に、延期予定だったものを覆して急ピッチで行なわれたものだった。
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