24日、ルーラ元大統領に関する収賄や資金洗浄の第2審判決が、リオ・グランデ・ド・スウ州ポルト・アレグレの連邦第4地域裁〈TRF4〉で出る予定だ。ルーラ氏は前日23日に現地入りし、TRF4の周囲は軍隊による厳戒態勢が敷かれている。23日付現地紙が報じている。
ルーラ氏は22日、サンパウロ市のルーラ研究所で行なわれた労働組合との会合で「23日はポルト・アレグレに行き、デモのために団結している人たちを励ましに行く」と発言した。
18日付既報のように、労働党党首のグレイシ・ホフマン氏は「ルーラ氏を逮捕するなら、警察は私たちの多くを逮捕しなくてはならない。それどころか、殺さざるをえないだろう」と16日に発言した。「私たちの屍を乗り越えてから、ルーラを逮捕せよ」という過熱した意気込みに油を注ぐような訪問だ。
それに対しリオ・グランデ・ド・スウ州政府は軍に要請し、TRF4付近に23日の時点から厳戒態勢をしいた。リオ・グランデ・ド・スウ州のセーザル・シルマー保安局長は「法を犯すような振る舞いをする抗議者、とりわけマスクをかぶった輩を見極めて対策する準備はできている」と語っている。
既に空軍は飛行船を飛ばし、TRF4を上空から見張った状態で、判事らの当日の移動もヘリコプターで行なわれる可能性がある。
ルーラ本人は23日にポルト・アレグレ入りし、夕方の集会の後は、安全性を考慮してサンパウロ市に引き返す予定。
だが当日は、裁判のはじまる午前8時30分より前からグレイシ党首をはじめ、副党首のアレッシャンドレ・パジーリャ氏、リンドベルグ・ファリアス上議などが参加する労働者党主体の抗議の行進が行われる。
警備側にとって最大の懸念は、判決が出ると予想されている午後3時以降だ。判決後に行なわれる支持者たちのデモ行進には、5万人が参加すると予想される。すでに市内のホテルはブラジル全土からやってきた支持者による予約で満席状態になっているという。
今回の裁判は2000年代の好景気時に抜群の高支持率を誇り、10月の大統領選の世論調査でも30%以上の支持率を受けトップに立っているルーラ氏の出馬か断念かがかかった裁判だけあって、支持・不支持を問わず判決を不満とした人々による暴動がかねてから恐れられている。
ルーラ氏は昨年7月、パラナ州連邦地裁での1審では9年半の実刑判決を受けた。もし2審も有罪ならフィッシャ・リンパ法適用で出馬できなくなるが、昨日付本紙で報じたように控訴や、フィッシャ・リンパ法を無視して強引に出馬する方法も残されている。