【既報関連】ブラジル国民の目がリオ・グランデ・ド・スール州都ポルト・アレグレに注がれた24日、ルーラ被告を支持する団体が、ブラジル全土でデモを行ったと24日付現地各紙・サイトが報じた。
ルーラ被告は労働者党(PT)や労組など、左派のカリスマ的存在だ。そんな左派が底力を発揮し、判決前日23日と当日24日の動員数は、反ルーラ派を上回った。支持派デモは全26州中23州とブラジリア連邦区で確認された。
最も活動が激しかったのは、連邦第4地域裁(TRF4)があるポルト・アレグレ市だった。ルーラ被告は23日にポルト・アレグレ入りして、セントロ地区で潔白を主張する演説を行った。これには7万人(主催者発表)が集った。
TRF4から1キロほど離れた円形劇場公園には、ルーラ支持派1万人が前夜からキャンプを張り、当日朝には3万人(主催者発表)が集った。支持者はプラカードや横断幕を掲げ、「(PTこそが)労働者たちの政党」との叫び声もあげていた。
ただし、3人の担当判事の中で最初に判決を下す、ジョアン・ジェブラン・ネット判事が「ルーラ被告有罪。量刑は一審より重い12年1カ月」の判決を下すと、円形劇場公園から立ち去る人々が目立ち始めた。
ルーラ被告は23日中に自宅のあるサンパウロ州サンベルナルド・ド・カンポ市に戻った。同被告は24日午前10時ごろ、同市内の金属労組本部に姿を見せ、「私はいかなる罪も犯していない。判事の投票3―0で、一審モーロ判決は誤りだったとなる以外にない」と支持者たちに語り、「仮にそうとならなくても、私とPTに向けられた嘘、陰謀を覆す時間はまだまだある」と続けた。
24日午後4時半過ぎに、2番目の投票を行うレアンドロ・パウルセン判事も「ルーラ有罪」の判決を下すと、ブラジル自由運動(MBL)を中心とした反ルーラ派はポルト・アレグレ市内のモイーニョス・デ・ベント公園に集結し、横断幕やプラカードを掲げ、有罪判決を喜んだ。
TRF4は3人の判事の多数決で決まる。2人が有罪とした事でルーラの同法廷での有罪は確定、3人目の判事ヴットール・ラウス判事も午後5時50分に有罪に投票し、TRF4の結論は3―0で、「ルーラ有罪、禁固12年1カ月」となった。