24日のルーラ元大統領の第2審有罪判決を受け、刑の執行をどの時期にするのかの判断を最高裁が求められていると、25、26日付現地紙が報じている。
16年10月に最高裁は、刑執行時期の問題の審理で「2審目で有罪判決が出た時点から」という判断を下していた。それに素直に従うなら、ルーラ氏は今判決を受けて刑執行(逮捕)がなされることになる。
だが、最高裁では昨年12月の全国環境党(PEN)とブラジル弁護士会(OAB)からの提案を元に、この件に関する見直しの動きが起こっている。その提案を行なっているのが、16年10月の審理の際に報告官をつとめ、判事投票で支持されたマルコ・アウレーリオ・メロ判事だった。
同判事によると、この見直しの要求は「16年10月の時点で6対5と接戦だった上に、判事も1人入れ替わっており、票の逆転の可能性があるためだ」という。
さらに同判事によると、ルーラ氏が2審目終了で刑務所に入ることに関して「現状では難しい。まだ憲法で正式に定められていることではなく、今ルーラ氏が刑務所ということになると、国が壊れてしまう可能性がある」としている。
この件に関して別の判事の声からは「もう3度も投票を行ない、いずれも2審目有罪での受刑が優勢だったのに」という声もあるという。
今回の2審目でルーラ氏に12年1カ月の実刑判決を下した、連邦第4地域裁(TRF4)のレアンドロ・パウルセン判事の見解では、「第2審の不服申し立て手続きが全て終了したら、ルーラ氏は刑執行をうける」としている。
26日付フォーリャ紙によれば、ルーラ氏が刑務所に入るのを避けるには、上告先の高等裁判所(STJ)ではなく、最高裁の11判事の過半数から人身保護礼状の支持を得ることだろうというのが、大半の上級判事らの意見のようだ。
ルーラ氏の場合、順番どおりに上告すると高等裁だ。だが同裁判所の担当判事がラヴァ・ジャット作戦担当のフェリックス・フィッシャー判事であり、ラヴァ・ジャットの被告に対して極めて厳しい裁きをすることで知られている。
それよりは最高裁の方が、16年10月から意思を変えている判事もいることから命拾いしやすそうだという。アウレーリオ判事のほか、ジウマール・メンデス判事も最近になって見解を変えているという。