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被爆者平和協会、中高生に講演=原爆と戦争の恐ろしさ訴える

講演をした森田さんと渡辺さん

講演をした森田さんと渡辺さん

 ブラジル被爆者平和協会の森田隆さん(93)と渡辺淳子さん(75)が、昨年12月6月にサンパウロ市近郊サンベルナルド・ド・カンポ市のアルモニア学園で被爆した自身の半生などについてに講演を行った。同校が行う平和教育の一環で、中高生約150人が出席した。
 同学園は研修旅行で生徒が広島平和記念資料館を見学するなど、平和教育を推進しており、今回の講演もその一環。森田さんは自身の戦中体験や渡伯後の生活などについて話し、渡辺さんはブラジル被爆者平和協会の活動に加わるようになった経緯などを話した。
 渡辺さんは花嫁移民として渡伯。30歳で日本に帰国した際に、親から自分が被爆者であることを伝えられた。親は渡辺さんが周りから白い目で見られるなど差別を受けないよう配慮して黙っていたという。
 「自分には被爆時の記憶が無いから当時のことは証言はできない。それでも自分がやらなくてはいけないと思った」と話し、「私たちのように元気な人はごく一部。大半の被爆者が亡くなっていることを知って欲しい」と訴えた。他にも、原子力発電所での事故や放射能の危険性などについて触れた。
 講演を聞いた生徒からは「原爆は恐ろしい兵器だと思い知った」「ブラジルに被爆者がいることを初めて知った」などの感想が集まった。


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 アルモニア学園で行われた森田さんと渡辺さんの講演会は、ブラジル日本交流協会の研修生・國仲祐希さん(21、沖縄県)の発案で、彼女が森田さんに依頼して実現した。國仲さんは原爆についての資料を校内に掲示したり、生徒が折った千羽鶴を広島に届けることを計画するなど、戦争と平和に関する活動を行なっている。彼女は「日本は悲惨な歴史を持っていて、二度と繰り返してはいけないということを生徒たちに学んで欲しかった。被爆者の方から直接話を聞いて、戦争や原爆の恐ろしさを重く受け止めたようです」と話した。さらに理解を深めてもらえるよう、今後も活動を継続するつもりだそうだ。