昨年2017年の連邦政府の基礎的財政収支が1244億レアルの赤字だったと、国庫庁は29日に発表した。1613億レアルの赤字だった16年より赤字幅は縮小したものの、97年の統計開始以来2番目に大きな赤字額だったと30日付現地各紙が報じた。
基礎的財政収支は、国庫、中銀、社会保障費の収支を合算したものだ。国庫、中銀だけで見ると、収支は580億レアルの黒字だが、社会保障費が単体で1824億レアルの赤字を出しており、3部門合計の収支が1244億レアルの赤字になった。
基礎的財政収支は、770億レアルの黒字だった13年を最後に、4年連続で赤字が続いている。14年は172億レアルの赤字、15年は1147億レアルの赤字、16年は1613億レアルの赤字だった。
アナ・パウラ・ヴェスコーヴィ国庫庁長官は、「4年連続の赤字になったが、16年と比較すると若干の改善が見られた。これは、政府が支出の切りつめを行った成果だ」と語った。
政府は17年の初めには、「赤字限度額を1390億レアル」としていたのを同年8月には「赤字は1590億レアル以内」へと許容額を拡げていた。しかし最終的には赤字は1244億レアルとなり、「これ以上赤字を増やしてはいけない」とした目標額を、346億レアルもの余力を残して達成した事になる。
「赤字限度額の目標をあえて引き上げて、結果発表時にポジティブな印象を与えようとしたのでは?」と問われた同長官は、「もっと酷くなるかもしれないとの印象を与えて、1244億レアルの赤字を祝おうなどというつもりはない」と答えた。
支出を切り詰めて執行予算が想定より300億レアル少なくなったことも、赤字圧縮に貢献した。赤字幅が目標より少なく済んだもう一つの大きな原因は、投資の抑制だ。17年の投資額は、前年の16年比32%減の462億レアルだった。
30日付フォーリャ紙はこの「投資の劇的削減」に加え、「次年度には繰り返せない、臨時収入増(公共施設売却や油田開発権の競売など)や、債務の繰り延べが大きく寄与している」と分析。同記事中でFGV研究所の調査員ヴィウマ・ダ・コンセイソン・ピント氏は、「予想より良い結果が出たとはいえ、対処療法的で、将来投資を軽視したもの。決して良い財務内容とは言えない」と警鐘を鳴らした。