サンパウロ人文科学研究所(本山省三理事長)は、出版記念会を来月2日午後6時から、ジャパン・ハウス(Av. Paulista, 52)で行う。今月26日に人文研で開かれた記者会見で、本山理事長は08年のブラジル日本移民100周年を記念しラテン・アメリカ記念講堂で開催されたシンポジウムの報告書「A presenca na America Latina」と、日伯修好通商航海条約締結120周年の際のセミナー報告書「Intercambio Brasil-Japao em perspectiva」の2冊を紹介した。
日本移民100周年のときに行われたシンポジウムには伯、ペルー、パラグアイ、亜、メキシコ、チリの6カ国から移民研究者が参加し、各国の日系社会の現状について報告した。
本山理事長は同シンポジウムの内容が纏められた報告書について「ラ米日系人がどのように生きているか、さらに現在の日系社会を知ることができる」と評価。出版にあたっては、宮坂国人財団から6万レの援助金を得たという。
また、日伯修好通商航海条約締結120周年の際、日本総領事館とサンパウロ州工業連盟(Fiesp)の協力で行われたセミナー「日伯交流の展望」では日伯間の相互援助の可能性について話し合い、日伯の懸け橋となる日系社会の役割を究明した。日本学術振興会の二宮正人氏、Fiespの先進研究高等諮問会のルイ・マルチンス・アルテンフェルデル・シウヴァ会長らが出席した。
同シンポジウムの報告書出版には総領事館を通じ、日本政府から1万5千レもの援助があった。
出版記念会では野口泰在聖総領事、本山理事長、サンパウロ大学元学長のアドルフォ・メルフィ氏による講演も行われる。入場無料、ポ語のみ。発行部数は千冊。
本山理事長は「両シンポジウムの内容はとても興味深い。出版され多くの人に読まれるのをずっと待っていた。当日はポ語での進行になるが、是非来場して欲しい」と呼びかけた。
問合せは人文研(11・3277・8616)まで。
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人文研の出版記念会では、本山理事長が報告書の出版までの経緯を紹介し、野口在聖総領事は日本が日系社会をどのように見ているかを語り、メルフィ元USP学長は学術的な視点から移民政策について講演するという。なかなか興味深そうな講演内容だ。ちなみに出版される本は無料配布されるという。午後6時からなので仕事がある人でも参加できそう。興味のある方は立ち寄ってみては?